2024年10月25日金曜日

Everybody Wants Some!!(2016):リチャード・リンクレイター監督作品
青春映画はふだん余り観ない私だが
当時の若者の髪型の流行りや西海岸の野暮ったい服を着た
若者が完璧なまでに再現されて、始まって暫くは
コリャだいぶ前に作られた映画だなと勘違いした。
しかし冒頭、主人公が車で運ぶレコードの段ボール箱の中に
DEVOのジャケットとカーステレオで効いているのが
ナックの”マイ・シャローナ”で此れはヒョットすると?
と観出したら大当たり!
此の映画ざっくり言うと音楽は当時のロックのオンパレード
「アメリカングラフォティ」は私の1世代前だったが
此処には聴いていた80年代のヒット曲がガンガン。
そして主人公は野球の特技で大学へ優先入学。
寮まで全員野球部員で部屋を割り当てられているから
新入生歓迎の”儀式”と言うところも「アニマルハウス」
というか運動部系だから乱暴というかシゴキというか?
それでも、その頃の大学生の考えてる事は正に
Everybody Wants Some=ヤル事ばかり
手当たり次第に女子大学生をナンパしまくる。
それが上手なのもいれば下手なのも居て笑える。
兎に角、”アニマルハウス”のジョン・ベルーシみたいな
お馬鹿キャラクターが次々に出て来て飽きさせる事がない。
映画は大学の授業が始まる前の数日間の話に構成されている。
その間に野球部の練習も始まり、皆、野球の特待生だから
自分は野球では俺は一番!と思っていた者は、
もっと凄い奴がいると人生の挫折を初めて知り何やら
主人公はサリンジャーの”ライ麦畑でつかまえて”的な
悟りをひらく。
しかし始まった大学講堂の授業で、先ず机に臥して寝てしまうのは
昨夜、目を付けた彼女の部屋で、ひと晩一緒だったから・・・というラスト。
そこにはアメリカの政治的な時代背景も世界情勢も全然描かれていない。
ひたすら自分の青春時代をリアルに描いて懐かしんでいる監督が見える。

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