新・座頭市Ⅲ ふたおもて蝶の道行:監督 黒木和夫
勝新太郎は劇場用”座頭市”がマンネリにならない様
様々な工夫をしていたと前回書いたが
TVの座頭市シリーズでは更に新しい映像を求め
幾つか有る。
此れはその一つで、東映のピラニア軍団から
「前略おふくろ様」でブレイクした
川谷拓三を相手役に選び、
ほぼアドリブとしか思えない様な自由な芝居をさせている。
川谷の役は座頭市に惚れ込んで彼に付き纏う
寂しがり屋の三河万歳師と言う設定。
盗みはするし助平で、女に手を出すだらしない男だが、
市は気が合って道中を供にする。
しかし、ふたりに助けてくれと寄ってきた女(松尾嘉代)は
想像通り、とんでもない女で身請けしくれた旦那を
殺そうとして失敗、金を盗んで逃げていた。
追ってきた殺し屋(峰岸徹)に捕まり、それを助けようとした
川谷拓三は呆気なく殺され、彼を可愛く思っていた市は
殺し屋たちに仕込み杖を抜く!・・・と、
あらすじを説明しても詰まらないが照明はフランスのカメラマン
ギイ・ブルダンのファッション写真の如く美しく。
編集は大胆で、音響と映像の実験を様々に試みている。
この先に勝新は市川崑監督と「ど根性 銭の踊り」(1964)で
映像的な刺激を受けて居たのだろう。
兎に角、此の新・座頭市シリーズの後半の展開は
「燃えつきた地図」(1968)の監督・勅使河原宏を
巻き込んで”前衛映画”と化したものだから
私の義理の父が生きて居た頃、
”近頃の座頭市は何が何だかサッパリ分からん”と
ボヤいていたのを思い出す。
音楽は村井邦彦にクロード・ルルーシュ映画みたいな
スコアを付けさせている。

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