「座頭市あばれ凧」(1964):池広一夫監督作品
此の監督・池広一夫は先に私が推している井上昭と大映同期。
スターシステムの”カツライス”事、勝新太郎と市川雷蔵の 力添えもあり
「薔薇大名」で監督になったものの 「天下あやつり組」が、
その頃の大映社長の絡んでいた汚職事件と 似ていたらしく
逆鱗に触れ助監督に降格させられてる。
その間に市川崑の「破戒」「雪之丞変化」のB班で助監督しているから
此の作品は、その影響で”市川崑ばり”のスタリッシュな映像と
座頭市7作目というマンネリ・シリーズに、
どう変化を付けようか?と工夫している池広と勝新の
”やる気”が 感じられて面白い。
先ず題名の「あばれ凧」の凧は一度も出てこない。
むしろ”あばれ花火”にした方が良かったかも。
座頭市は眼が見えないから耳で気配を感じる。
だから花火を炸裂するクライマックスの斬り合いは
かなり緊張する仕掛けだ。
花火の仕掛け人役が左卜伝で此れが耳が遠くて
座頭市とで”メクラとツンボ”のやり取りが笑わせる。
冒頭にも子供達に”その先に穴が在るよ”と言われ
子供は嘘を付くからと、まんまと穴に落ち
”やっぱり子供は嘘を付かない”と反省したりする。
怪楽亭ブラックという落語家兼映評論家は
銭湯で会った時 ”たけしの座頭市”は、メクラという背景が
全然出ていないのが詰まらないと切り捨てたが
”浅草でたけしの悪口は言ってはいけません!”とも。
大映映画で活躍した悪役俳優・遠藤辰雄が此の作品では
メイクとドモリの憎々しいヤクザの親分で狂言回し。
最後に座頭市に見事に斬られてスカッとさせるが
それ以外にも座頭市は川の中に潜って
「007サンダーボール」風に斬りまくったり
池広一夫は勝新を乗せようとカメラ・アングルや照明で
殺陣のアイディアを次々と繰り出し、飽きさせない。
今、並行してBSフジで「新・座頭市」をオンエアしているが
シリーズを続けるというのは大変だったのだなあ。

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