2024年1月2日火曜日

TVドラマ「たそがれ優作」第2話
主演は北村有起哉。
時どき映画やTVドラマで脇役として見かけるが
本格的な主演は此れが初めてかもしれない。
彼の設定は中途半端に売れている役者。
毎回、冒頭に”男はつらいよ”風に
彼が演じる役で、殴られたり殺されたりする芝居に
”カット!”という声が入り撮影現場という現実に戻る。
”男はつらいよ”風といえば毎回マドンナというか
現在独身中年男の主人公に相手役のヒロインが登場する。
それが何も癖のある女ばかりなのだが
”寅さん”と同じ様に主人公は直ぐ惚れてしまうと言うか、
その気になってモヤモヤするのが笑える。

そして此の2話目のストーリィだが
彼と別れた女房との間に出来た息子が役者になり
今度、舞台に立つのでお父さん観に来て!と呼び出される。
北村有起哉は知る人ぞ知る文学座の看板俳優だった北村和夫の息子。
「にっぽん昆虫記」や「神々の深き欲望」を観た私には
彼は父親そっくり!だから此のエピソードには
虚実あいまったリアリティがあって面白く観れた。

その息子は寿司屋に父親と母親(遊井亮子)を呼び出し、
結局、自分は行かず、二人だけで再会させる策略。
元夫婦と言えどカウンター席に距離を置いて座る
気不味い雰囲気から、徐々に縮まって行く過程に
戻りそうで戻らない男女の過去が丁寧に描かれて実に切なかった。

此の原作は劇画で「深夜食堂」の安部夜郎。
TVドラマに”グルメ”の要素を持ち込んで別の魅力を付けているが
人気俳優を並べた最近のドラマに比べ、無名の俳優等を
”らしさ”と演技力で選んだキャスティングが上手い。

もう既に終わってしまったシリーズだが、正月深夜に
BSテレ東で纏めて再放映してくれているのが嬉しい。

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