2023年12月10日日曜日

「ダウン・バイ・ロー」(1986):ジム・ジャームッシュ監督作品
アメリカン・ニューシネマ以降突然現れた鬼才監督の
「ストレンジャー・ザン・パラダイス」の次回作
普通2作目というとテンションは落ちるものだが
此の作品はミュージシャンのジョン・ルーリーにトム・ウェイツ
そいてイタリアの怪優ロベルト・ベリーニを起用して
モノクロ映画なのにカラフルな作品に仕上がった。
カメラマンはヴィム・ベンダース映画のオランダ人ロビー・ミューラー。
前作以上にモノクロの白から黒までの微妙な階調で
ニューオリンズの街や沼地を捉えている。
話は、それぞれ社会の落ちこぼれの3人が
それぞれ無実の罪で刑務所で同室になり
”ダウン・バイ・ロー”(刑務所のスラングで兄弟の様な間柄)
になって、一緒に刑務所を脱獄、沼地に逃げ込むという展開。
前作からのジョン・ルーリーの恐竜の様な顔と
サル顔のトム・ウェイツに、間抜け面のロベルト・ベリーニの
トリオは3人並べただけで充分持つ可笑しさで
セリフなんか要らないが、彼らが刑務所の檻越しに歌う
♪ユー・スクリーム、アイ・スクリーム、アイ・スクリーム!の
合唱は、40余年経って聴いても
高田渡さんの”アイスクリームの歌”以上に笑える。
それと5mの鰐が居ると驚かされるミシシッピーの
デルタ地帯の沼地は"バイユー”と呼ばれ
Mobyの”ナチュラル・ブルース”に出てくる。
Natural Blues:Moby
そういえばコーエン兄弟の脱獄映画「オー・ブラザー」も
此の映画にインスパイアされている筈だ。
何年経って色褪せない此の映画、元々モノクロだし(笑)

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