2023年4月22日土曜日

「誇り高き男」(1956):ロバート・D・ウェッブ監督作品

日本ではスリーサンズの主題曲(作曲ライオネル・ニューマン)が

ラジオ音楽番組からヒットしたが

此の作品自体は何故か評価されていない。

主役はロバート・ライアン。此の俳優も何故か大スターの貫禄が無い。

サム・ペキンパーの集団西部劇「ワイルドバンチ」

フランスのルネ・クレマンのギャング映画「狼は天使の匂い」と

映画ファンなら筆頭に挙げるカルト作品で何も主役

なのに「プロフェッショナル」ではバート・ランカスターの影に隠れ

「特攻大作戦」ではリー・マーヴィンの脇

「墓石と決闘」ではワイアットアープに殺される

クレイトン兄弟のボスで悪役だ。

此の映画では前半で頭を撃たれ、時々目が霞む持病を抱え

どうやっても勝ち目の無い戦いに保安官の立場をかけて挑む

誇り高き男

そのヒーローとしては人間味のあり過ぎるところ

観る方は大丈夫か?と思わせるのが此の俳優の持ち味。

此の映画では彼を親の仇と狙う若者を

後に「キング・オブ・キングス」で若きキリストになる

ジェフリー・ハンターが演じる。

彼を保安官助手としてロバートは早撃ちを仕込むが

隙あらば彼を討とうとする此の若者との緊張感が巧い。

結局、丸腰の彼の父親を後ろから撃ったと言うのは

街のボスの嘘で、彼を再びハメようしていた事に気づき

(ネタバレ注意)

ラストは、その嘘の丸腰で終わるのだが

その伏線や構成が実に巧い。

数々の名作に出ている脇役ウォルター・ブレナンや

ロバート・ミドルトン等をらしい使い方で配置

特に、彼を慕う酔っ払い役の俳優は何と言う役者だろう?

とにかく下積み裏方とセカンドユニット監督の長かった此の監督

その間に俳優を良く観察していたと思え、キャスティングが見事。

私はプレスリーの映画初デビュー作「やさしく愛して」より

これが彼の代表作と思うが・・・。

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