「白鯨との戦い」(2015):監督ロン・ハワード
此の監督は「アメリカングラフィティ」の時には少年俳優だった。
どこで監督を目指したのかは解らないが
今をときめくトム・ハンクスで「スプラッシュ」で
人魚を撮ったのを始めとして遂に白鯨に挑戦した。
映画「タイタニック」が米国海軍が軍事シュミレーション用に開発した
海洋C.G.ソフトを民間に払い下げられて生まれた映画だと言うのは
玄人の間で知られた話だが。
此の映画は、そのソフトを海上の嵐や凪とあらゆる状態に使いこなし、
更にスピルバーグの「ジョーズ」では此処まで出来なかった
海中からのアングルで主人公達を襲う巨鯨を撮っている。
鯨油を求めて捕鯨船がアメリカの港から出港し、
赤道近くで漸く見付けたら巨大な白鯨で逆に襲われ、
ジョーズの様に船は破壊され船員は投げ出され遭難する。
無人島に漂着したものの、そこには何も無く、再びボートで大海原へ漕ぎ出し、
水無し食料なしの地獄を何ヶ月も彷徨うサバイバル映画。
「アポロ13号」「ダヴィンチ・コード」をヒットさせ
今やハリウッドでもエース格の監督だけに、
膨大な予算とスケジュールをかけて丁寧に作られた此の作品。
意外に話題にならなかったのはスター級の俳優が出ていないせいか?
それでもプロローグに登場する此の物語「白鯨」の作者メルヴィル役は
あの「パフュームある人殺しの物語」のベン・ウイショー
「麦の穂をゆらす風」のキリアン・マーフィーと実力派ばかり。
そしてエセックス号の船長と確執のある一等航海士に
無名の俳優2人を起用するなど、流石のロン・ハワード。
それでも最後の頃は死んだ仲間まで食べてゾンビみたいで
誰が誰だか解らなくなっちゃうんだが・・・。
此の年の賞レースに無冠というのは可笑しいな。
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