2023年1月17日火曜日

「白鯨との戦い」(2015):監督ロン・ハワード

此の監督は「アメリカングラフィティ」の時には少年俳優だった。

どこで監督を目指したのかは解らないが

今をときめくトム・ハンクスで「スプラッシュ」で

人魚を撮ったのを始めとして遂に白鯨に挑戦した。

映画「タイタニック」が米国海軍が軍事シュミレーション用に開発した

海洋C.G.ソフトを民間に払い下げられて生まれた映画だと言うのは

玄人の間で知られた話だが。

此の映画は、そのソフトを海上の嵐や凪とあらゆる状態に使いこなし、

更にスピルバーグの「ジョーズ」では此処まで出来なかった

海中からのアングルで主人公達を襲う巨鯨を撮っている。

鯨油を求めて捕鯨船がアメリカの港から出港し、

赤道近くで漸く見付けたら巨大な白鯨で逆に襲われ、

ジョーズの様に船は破壊され船員は投げ出され遭難する。

無人島に漂着したものの、そこには何も無く、再びボートで大海原へ漕ぎ出し、

水無し食料なしの地獄を何ヶ月も彷徨うサバイバル映画。

「アポロ13号」「ダヴィンチ・コード」をヒットさせ

今やハリウッドでもエース格の監督だけに、

膨大な予算とスケジュールをかけて丁寧に作られた此の作品。

意外に話題にならなかったのはスター級の俳優が出ていないせいか?

それでもプロローグに登場する此の物語「白鯨」の作者メルヴィル役は

あの「パフュームある人殺しの物語」のベン・ウイショー

「麦の穂をゆらす風」のキリアン・マーフィーと実力派ばかり。

そしてエセックス号の船長と確執のある一等航海士に

無名の俳優2人を起用するなど、流石のロン・ハワード。

それでも最後の頃は死んだ仲間まで食べてゾンビみたいで

誰が誰だか解らなくなっちゃうんだが・・・。

此の年の賞レースに無冠というのは可笑しいな。

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