プロフェッショナル (1966):監督リチャード・ブルックス
右端の黒人俳優ウディ・ストロードの話だけでなく
此の映画は良く出来ていて面白いのでアレコレ。
まず監督リチャード・ブルックスはロシア系ユダヤ人、
フィラデルフィアに生まれる。
その地の有名なテンプル大学卒業後、
自らのユダヤ人問題を扱った「十字砲火」の原作に
あのハンフリー・ボガードの名画「キー・ラーゴ」の脚本を
監督ジョン・ヒューストンと共同で書く。
その後、監督業に進出、当時社会問題となっていた
「暴力教室」で評価を得て
テネシー・ウィリアムスの戯曲「熱いトタン屋根の猫」の映画化
シンクレア・ルイス原作の「エルマ・ガントリー」の映画化では
主演のバート・ランカスターにアカデミー主演男優賞をもたらした。
その牧師なのにC調なキャラクターは”プロフェッショナル”の
爆弾男ビル・エドワースに繋がっている・・・と前置きが長いが
此の映画はテキサスの油田王が、メキシコの山賊(ジャック・パランス)に
誘拐された美しい妻(クラウディア・カルディナーレが!)を救い出すのに
その地がメキシコとの国境沿いと言う事から、
”戦うパンチョビラ”で有名なメキシコ革命に参加した元兵士達
その道のプロフェッショナル達を寄せ集める所から始まる。
相手は、まだメキシコ軍と戦っている山賊だから強敵。
砂漠を越え崖を超え、そのアジトに近付くだけでも大変。
そしてやっと、そのアジトに着いたら其処は砦の様になっていて
此処で爆弾魔ランカスターと、弓の名手のウディ・ストロードが大活躍
その人妻を救い出すはずが、彼女は山賊と幼なじみでデキていた。
だから砦から出るのを嫌がるのを無理やり運び出すも
追手がワンサカと押し寄せ、ガトリング銃とダイナマイトで大混戦
それでも何とか切り抜け、再び砂漠と崖を越えてテキサスへ。
それでも追ってくる山賊は、恋人を取り戻す為、必死。
此の場面で山賊(ジャック・パランス)が語る革命と愛の話が面白い。
流石のリチャード・ブルックス。
その頃の時代の空気を反映した台詞の数々が秀逸。
私はリーダーにリー・マーヴィン、ロバート・ライアンと
それぞれ人間味あふれる演技を魅せる贅沢なキャスティングに
「明日に向かって撃て」のコンラッド・ホールのダイナミックな画作り
サム・ペキンパー監督の「ワイルドバンチ」に勝るとも劣らない
西部劇の傑作と思うが如何かな?
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