2022年10月21日金曜日

「突破口」(1973) : ドン・シーゲル監督
此れはウォルター・マッソー出演集と監督ドン・シーゲル作品集
のどちらかにDVDが有るはずだと探したら、どちらにも入っていた(笑)
それでも、つい先日のTVオンエアに、又観てしまった。
もう4、5回は観てるはずだがディテールは殆ど忘れてる。
ウォルター・マッソーが若い!
そうオープニングは銀行強盗で変装してるから
爺さんで晩年の彼そのままなのが可笑しい。

話は曲芸ヒコーキ乗りの夫婦が事故で怖くなり廃業
農薬散布業に切り替えたものの儲からないので
仲間を集め銀行強盗を始める。
襲ったのは地方の小さな銀行だったが
それがマフィアの隠し金を扱っていたので大金を手にしてしまう。
その時、見張りの妻がパトカーの警官に撃たれてしまう。
仲間1人は撃たれ、もう一人と逃げられたもの。
警察とマフィアと双方からの追われの身
さて、その金をどうしたものか?が映画の概要。

驚くほど丁寧に描かれた地方の町の平和な風景は
その後の修羅場とのコントラストに効いている。
そう目を見張るのは監督ドン・シーゲルの演出力。
背景のシュチュエーションが米国中西部の珍しい場所ばかり
中華料理屋の奥に賭博場やビリヤード。
此処に監督がヒッチコックみたいにチラッと映る。
それと銀行の前で車のナンバーを教えに来る少年は
ドン・シーゲルの実の息子。
それとウォルター・マッソーを追うマフィアの殺し屋の
ジョードン・ベイカー始めキャスティングの面白さ。
特に彼らが住むキャンピングカーの隣りに住む婆さんの
キャラクターなど凄惨な話の展開の中に遊びが沢山。
此の演出力を弟子と称するクリント・イーストウッドは受け継いでない。
むしろ、あのコーエン兄弟が盗んでいる。

ウォルター・マッソーはジャック・レモンとコンビで
大好きな俳優だが、そのトボけた表情は
此の映画で死んだ妻を車ごと火葬するのに
何度もキスをする感情を抑えた演技や
黙々と追っ手に逆襲する行動が、何とも格好良い。
うーんジャック・レモンに此の役は出来ないだろうな。




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