2022年1月29日土曜日

 

「シノーラ」(1974):ジョン・スタージェス監督

ふと思ったのだが、アクション映画は

ジョンという名前の監督が多い。

西部劇の巨匠ジョン・フォードは別格として

ジョン・フランケンハイマー、ジョン・ヴァダム、香港から

ハリウッドへ招かれたジョン・ウーと。

そして此のジョン・スタージェスだが

「荒野の7人」「大脱走」とヒット映画を連発

「鷲は舞い降りた」で引退するまで、一気にハリウッド大通りを

監督として駆け抜けた感があある。

それで此の「「シノーラ」だがマカロニ・ウエスタンで

世界的なスターとなった彼を演出したのがジョン・スタージェス。

既に「OK牧場の決闘」「墓石と決闘」と西部劇の名作を

世に出していてクリント・イーストウッドも安心して

身を任せたに違いない。

此の映画が面白くなったのは悪役のキャスティング。

まず主人公ジョー・キッドを雇う大牧場主にロバート・デュバル。

話は国境沿いの土地の登記をめぐり

原住民から、それを奪う彼は大悪党なのだ。

その知的な風格は当初、正義がそちらに有るように見えて

イーストウッドも原住民討伐に雇われる。

しかし、彼はとんでもない奴で

情け容赦なく原住民を殺すので主人公のイーストウッドは

原住民側に寝返り、その殺しのプロたちと戦う。

「荒野の7人」「大脱走」も登場人物が多い作品だったが

此処では、その殺しのプロの描き分けに監督の演出が冴える。

それぞれ様々なアクション映画で光っていた曲者役者を揃え

主人公と対決させてゆく。

最新式の連発銃と長距離ライフルが銃撃戦に新しいスリルを生む。

ラストには蒸気機関車の暴走まで用意するサービス。

それは、もうセルジオ・レオーネにドン・シーゲル作品に

引けを取らない迫力。

最後までハラハラ・ドキドキで面白い。

面白いといえば音楽がラロ・シフリン。

アルゼンチンはブエノスアイレス生まれ、ヨーロッパで

モダン・ジャズを勉強しスティーブマックウィーンの

「シンシナティキッド」や「ブリット」で注目された。

「ダーティー・ハリー」でイーストウッドにも音楽をつけたが

此の作品では、ほぼエンニオ・モリコーネ

エレキ・ギターに哀愁メロディーが今聴くと笑える。



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