劇場版「きのう何食べた?」
TVでオンエアしていたシリーズの続きを劇場用にして公開。
果たして此の”危ないカップル”の”危ないドラマ”は
長編映画として持つか?と心配しながら観てみた。
西島秀俊(シロー)と内野聖陽(ケンジ)のコンビが
二人だけで京都旅行に行った所から始まる。
シローが、お膳立てした、その旅行にケンジは
嬉しすぎて幸せすぎて不安になる。
それは此処で別れ話になるのか?いや
彼が治らぬ病に死を隠して最後の旅か?と問い詰める。
そんな壊れやすい”男同士の愛”を真面目に優しく描く。
そして彼らの関係に戸惑う両親の心情も本音で描かれる。
まず原作が漫画らしいが脚本(安達奈緒子)が巧みだ。
後半に今度はシローがケンジの病院通いを
死ぬんじゃないか?と心配したり
彼らは実に普通以上に真面目で優しい人間なのだ。
ただ普通じゃないから、その仕草や行動は観客の笑いを誘い
また普通じゃないから普通に生きられなくて涙を誘う。
まだカミングアウトしていない弁護士役・西島秀俊は、
その甘い顔立ちが適役。
ワザと汚れ役で美容師のギャップを狙った内野聖陽の演技は
今年の日本アカデミー賞の最有力候補。
笑わせて泣かせて此の多様性の時代を見事に描いた
監督・中江和仁に拍手を送りたい。
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