2021年9月23日木曜日

ジャン=ポール・ベルモンド映画 #11
気狂いピエロ(1965)Pierrot le Fou:音楽 Antoine Duhamel

ベルモンドはゴダール作品に5年ぶりの主演だが

今度はカラー作品でヌーベル ヴァーグというより

映画の革命を始めたゴダールにベルモンドとアンナ・カリーナに

物語性までを分解し、デザインの様に言葉をレイアウトし

色彩も原色を背景として使い、極力情緒的なな部分を拝した

その構成に観客は戸惑ったものだ。

しかし今みればゴダールの当時のヴェトナム戦争への批判や

映画に何が出来るかを模索していた彼の実験はモダンの一言に尽きる。

音楽も作曲家にミシェル・ルグラン、ジョルジュ・ドルリューと

モダン・ジャズからアカデミックな音楽を嗜好していた

此の頃のゴダールが選んだ作曲家はアントワーヌ・デュアメル。

重厚なテーマ曲はラストの悲劇性を高めている。

ゴダールはアントワーヌを気に入り、

此の後「ウィークエンド」にも起用している。

そしてゴダールだけでなく、トリフォーも「夜霧の恋人たち」「野生の少年」そしてベルモンド&カトリーヌ・ドヌーブ共演の

「暗くなるまで此の恋を」も、アントワーヌ・デュアメルは担当している。

ところで此れはベルモンドとは関係ない余談だが

トリフォー映画に欠かせない俳優ジャン=ピエール・レオ。

彼は此の作品で助監督を務め、チョイ役でも出ている。

ゴダールとトリフォー、此の頃はヌーベルヴァーグの同志として

またライバルとして競っていた事が分かる。

ところでトリフォーがジャン=ピエール・レオに演じさせてた

彼の役名は、いつも同じアントワーヌ・ドアネル

トリフォーはデビュー作大人は判ってくれないから

此の作曲家を知っていて使っていたか?

そして「夜霧の恋人たち」で、ドアネルとデュアメル

二人は俳優と音楽で競演した。

(また、文が長くなっちまった!)



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