2021年9月8日水曜日

追悼・ジャン=ポール・ベルモンド
太陽の下の100万ドル (1964) : アンリ・ヴェルヌイユ
昨夜は何かベルモンドの作品をと、
コレクションBOXの中から此れを見付けた。
モノクロの冒頭から、その語り口と流麗なカメラワークに引きつけられ
此は大画面で観た方が良いとホームシアタースクリーンを下ろした。
果たして、映画は北アフリカの広大な砂漠を舞台にした
トラックドライバーの壮絶なカーアクション。
登場するのは、まずドイツの名優ゲルト・フレーべ。
”ゴールドフィンガー”出演と同じ年だが
糖尿病の太った体にインシュリンの注射を
撃ちながらの流石の貫禄。
彼は儲かるならなんでも運ぶ、運送会社の社長。
その社員のドライバーのベルモンドとリノ・ヴァンチェラが居る。
彼らが昔からの仲間である事は、その夜のバーの飲み歩きで分かる。
ところが、ベルモンドがリノ・ヴァンチェラを出し抜いて
翌朝、高そうな新車トラックを積荷ごと盗んで逃げてしまう。
どうやら積荷は内乱の続く国への武器らしい。
怒った社長はリノ・ヴァンチェラを大金で雇い彼を追わせる。
ベルモンドがリノ・ヴァンチェラの関係は
”冒険者たち”の二人を思い起こさせるが
此の映画でベルモンドはトラックごと命を狙う程の確執だ。
それでもアラン・ドロンと違い、ベルモンドがやると
憎めないところが彼のキャラクター。
そう言う所がフランス映画には貴重な彼の存在だった(合掌)
まあ此の映画でベルヌイユが描きたかったのは
とてつもなく広がる乾いた大地で蟻の様にコセコセ蠢く人間たち。
おそらく困難を極めたであろう撮影、ベルヌイユの演出力に驚嘆。
そして虚しい結末は”地下室のメロディー”と同じ。
”ヘッドライト”しかり、彼がトラックドライバーを良くモチーフに
するのはヒョットしてアルメニア系移民の彼は経験が有ったのかな?






 

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