アバウト・タイム〜愛おしい時間について(2013)
脚本&監督:リチャード・カーティス
時間を操れるタイムトラベルはゼメキスの
「バック・トゥ・ザ・フィーチャー」シリーズでお馴染みだが
此れは、実に真面目な父と息子の話。
21歳になった或る日、主人公は、父親からウチの男は
タイムトラベルが出来る家系だと打ち明けられる。
狭い処で念じれば好きな過去へ戻れると。
しかし、その能力を金儲けには絶対使うな!と釘を刺される。
極く平和な英国は海辺のコーンウォールで暮らす主人公は
その能力を恋人探しに使おうとして
何度か失敗しながらも結局、理想の女性を射止め
結婚し子供を授かる。
しかし父親は不治の病で先立つことに。
”あの時、ああしてれば”と人は必ず思う時がある
父親も若い時にタバコを辞めてれば・・・と後悔するが
その運命はどうしようも無い。
主人公は一度だけ父親と遊んだ少年の頃に戻り
その運命を受け入れる場面が泣かせる。
そして毎日、巧くいかなかった時間に戻りやり直しながら
結局そうだ!現在の時間は、全てやり直しで
自分が一番良いと思う様に生きればイイんだという事を悟る。
全編、語り口がサリンジャーの”ライ麦畑でつかまえて”風の
主人公のモノローグで展開され、音楽も既成の曲ながら的確な選曲で
素直に物語の世界へ入って行ける。
”バック・トゥ・・・”みたいな娯楽性は無いが
観終わったと心が温まる佳作だ。
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