2021年2月10日水曜日

「黄昏のチャイナタウン」(1990)
前作「チャイナタウン」の続編
ポランスキーに代わり主演のジャック・ニコルソンが監督もした。
脚本のロバート・タウンが作り上げた探偵ジェイク・ギテスは
そのまま、浮気調査が主の仕事。
だからオープニングも前作同様、探偵事務所で
妻の浮気調査依頼した男の録音場面から始まる。
此の男の名前がジェイクだから此の映画の
原題は"The Two Jakes=ふたりのジェイク”
演じるのはハーベイ・カイテル。
「タクシードライバー」を始め「ピアノレッスン」と
いわゆる名画に出演している俳優。
此の映画でも難しい役を見事に演じている。
そう此の映画はアカデミーにキャスティング賞があるなら
上げたいくらい面白く、ハマっている。
まずはヒロイン、キャシー役のメグ・ティリー
前作フェイ・ダナウェイの娘で妹でもあるという設定に
北欧系の金髪でミステリアスな雰囲気が合っていた。
ハードボイルドにつき物、主人公に絡む
”ファムファタール=運命の女”は、彼女だろう。
前作から18年後という設定だから
子供だった彼女を主人公ジェイクも気付かず話は進む。
キャスティングの面白さは他にも
ミュージシャン二人が俳優として出演している。
一人はハーベイ・カイテルの用心棒役でサルサのスター
ルーベン・ブラディスが強面で決めている。
それにトム・ウェイツが私服警官役でウロウロしているが
クレジットはないから監督ジャックの遊びだろう。
他にも妖艶マデリーン・ストウが殺される亭主の女房
敵と味方の弁護士に名優イーライ・ウォラックに
フレデリック・フォーレストと顔ぶれを楽しめる。
それらを上手に画面に収めたのが
「ロング・グッドバイ」「未知との遭遇」のカメラマン
名手ヴィルモス・シグモンド。
キャルフォルニアの乾いた空気の匂いまで伝わってくる。
もう一つ、此の映画の魅力は音楽。
前作のジェリー・ゴールドスミスも素晴らしかったが
前作から18年後の設定にヴァン・ダイク・パークスが起用された。
これが1948年の雰囲気を上手に出した。
此の映画の出演時ジャック・ニコルソンの腹には肉が付き
ゴルフをやるのもラブ・シーンも大変そうで
それが又、リアルで面白かった。
当初、脚本ロバート・タウンは3部作として
此のシリーズを予定していたらしい。
しかし二人は仲違いして、どうやら次は無さそうで残念!

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