新・ガンヒルの血斗(1971)
グレゴリー・ペック主演で昨日の「拳銃王」の20年後に作られている。
スタッフはジョン・ウェイン主演の「勇気ある追跡」と殆んど同じ
とかく比較されるが、私にはグレゴリー・ペックが
「アラバマ物語」に「レッドムーン」で確立した
キャラクターを存分に生かした彼のアテ書き脚本に思える。
まず共演者が「アラバマ物語」と同じ7歳の女の子。
此処では昔付き合っていた女から遺言として
、彼の娘でも無いのに面倒を見てくれと託される。
此のおしゃまで可愛い女の子とのやりとりは「アラバマ物語」を
思い起こさせ微笑ましい。
そして彼を執拗に追う3人組のリーダーの男は
「レッドムーン」のインディアンの様だ。
ただ、あちらは自分の娘を取り返す執念だったが
此の作品では単なるカネ目当て
若いが悪知恵が働き、実に陰湿な性格の男で
仲間も平気で殺してしまう。
恐らく”西部劇史上”何本かの指に入る極悪人だ。
”敵役が憎らしい程、映画は面白くなる”の定説通り
観客は限界までストレスがたまり、ラストの
勧善懲悪のカタルシスを期待するという
見事な演出は「西部開拓史」の名将ヘンリー・ハサウェイ。
キャスティング、カメラワークとあらゆるディテールに
リアリズムが感じられ西部劇ファンには堪らない作品だ。
0 件のコメント:
コメントを投稿