2019年2月10日日曜日

ボルトとダシャ 
マンホールチルドレン20年の軌跡
私はモンゴルという国が好きだ。
何度か行っている内にツアーの講師まで頼まれ、
それを劇画「モンゴリアン・ブルーを求めて!」に纏めた。
その中で当時のモンゴルを描くのに
マンホールチルドレンのエピソードを入れた。

それ以来、此のドキュメンタリー・シリーズを欠かさず観て来たが
取り上げられて居たのはボルト、ダシャという男の子とオユナのいう女の子。
昨夜、その20年後の彼らが映されて居た。
いや、まず驚かされたのは、男の子ボルトとダシャが33歳になって居た事。
まあチルドレンも20年も経てばオッサンである。
ダルトは独り者だがタイヤ修理で店を持つほど。
しかし、ダルトは、そこまでに波乱万丈の生活が有ったことを
此のドキュメンタリーは描く。
狭いマンホールの中で共に育ったボルトとダシャそれにオユナは
子供から大人に成長する過程で男女の関係になるのは
当然のことだろう。
まずダルトはマンホールを出て建設業につき、仕事も順調で家を建てる。
そしてオユナと結婚し子供を作る。
しかしダルトが先に呼び寄せて暮らして居た母とオユナの折り合いが悪く、
仕方なく母を家から追い出したら、今度は
オユナが子供を連れて家を出て行ってしまう。
それもマンホール仲間のダシャの処へ転がり込む。
妻と親友と同時に失って絶望したダルトは酒に溺れ
アル中となり又マンホール暮らしに戻る。
酒浸りで道路に寝て居たのをNGOに保護され、
そこでアルコール依存症の克服し、
読み書きも覚え、先のタイヤ修理の職に付き、独立して店を持つ。
一方、ダシャは読み書きが出来ないので
ゴミの収集や荷物運びの肉体労働、でも経済成長期の
モンゴルは仕事はあるらしく妻と子供4人を育てている。
でも、その妻はオユナでは無い。
オユナは、とっくに家を出て行って
子供は親戚に預け、酒浸りでマンホールに戻り、一人で死んで発見される・・・
と映画になる様なドラマチックな展開だ。
ドラマチック過ぎて私も映像のプロの端くれだから
"ヤラセか?と思う場面も多々あったがドキュメンタリーとは、そういうものだ。
カメラに撮られる限り人は演技するし、らしく無い部分はカットする。
映像に演出と編集はつきものだ。
ボルトとダシャ、彼らの残りの人生に幸あれと願うしかない。






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