ジャック・パランス(1919〜2006)
子供の頃、世界一の拳銃の早撃ちは誰か?と友達と話し合い
「シェーン」の殺し屋の彼が何秒、アラン・ラッドが何秒と
宍戸錠が何秒、小林旭が何秒と本気で調べたことがあった。
結局、誰だったが忘れたが(笑)
とにかく私の記憶に登場したジャックは不気味な悪役であった。
その彼が実はウクライナ移民の二世。
その凹んだ鼻は二十歳頃やっていたボクサーの名残り
しかも第二次世界大戦に従軍したパイロットで火傷を負い
整形手術をした顔であることは最近まで知らなかった。
その容貌を生かした先の「シェーン」の悪役以来
恐ろしい殺し屋の役を一手に引き受けた感があったが
敵役は主役同様に注目され、演技を要求されもの
いつのまにか主役を食っていたという訳。
そして次に私の前に登場したのは
ゴダールの「軽蔑」でB.B.を夫から奪うハリウッドの
大プロデューサー役。
そしてジョセフ・ケッセルの小説「騎馬の民」を映画化した
ジョン・フランケンハイマーの「ホースメン」であった。
考えればユーラシア・ウクライナ生まれの
彼にぴったりの役であったのだ。
その後、先に紹介したセルジオ・コルブッチ監督の
マカロニ・ウエスタンの悪役で大活躍。
本家・米国の西部劇「プロフェッショナル」では
バート・ランカスターにリー・マーヴィンという
癖のある俳優を相手に、引けを取らないメキシカン山賊の
首領を演じたのも、193cmという長身にその”押し出し”。
オマー・シャリフがゲバラを演じれば、彼はカストロを演じ
老いて、味のある演技に、時には笑いを誘うコミカルな表情は
「バクダッド・カフェ」「バットマン」に生かされ
「シティスリッカーズ」ではアカデミー&ゴールデン・グローブ
助演男優賞を得ている。
彼を悪役列伝」の殿堂に入れなくて誰を入れよう。
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