2018年1月11日木曜日

ジャック・パランス(1919〜2006)
子供の頃、世界一の拳銃の早撃ちは誰か?と友達と話し合い
「シェーン」の殺し屋の彼が何秒、アラン・ラッドが何秒と
宍戸錠が何秒、小林旭が何秒と本気で調べたことがあった。
結局、誰だったが忘れたが(笑)
とにかく私の記憶に登場したジャックは不気味な悪役であった。
その彼が実はウクライナ移民の二世。
その凹んだ鼻は二十歳頃やっていたボクサーの名残り
しかも第二次世界大戦に従軍したパイロットで火傷を負い
整形手術をした顔であることは最近まで知らなかった。
その容貌を生かした先の「シェーン」の悪役以来
恐ろしい殺し屋の役を一手に引き受けた感があったが
敵役は主役同様に注目され、演技を要求されもの
いつのまにか主役を食っていたという訳。
そして次に私の前に登場したのは
ゴダールの「軽蔑」でB.B.を夫から奪うハリウッドの
大プロデューサー役。
そしてジョセフ・ケッセルの小説「騎馬の民」を映画化した
ジョン・フランケンハイマーの「ホースメン」であった。
考えればユーラシア・ウクライナ生まれの
彼にぴったりの役であったのだ。
その後、先に紹介したセルジオ・コルブッチ監督の
マカロニ・ウエスタンの悪役で大活躍。
本家・米国の西部劇「プロフェッショナル」では
バート・ランカスターにリー・マーヴィンという
癖のある俳優を相手に、引けを取らないメキシカン山賊の
首領を演じたのも、193cmという長身にその”押し出し”。
オマー・シャリフがゲバラを演じれば、彼はカストロを演じ
老いて、味のある演技に、時には笑いを誘うコミカルな表情は
「バクダッド・カフェ」「バットマン」に生かされ
「シティスリッカーズ」ではアカデミー&ゴールデン・グローブ
助演男優賞を得ている。
彼を悪役列伝」の殿堂に入れなくて誰を入れよう。

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