ニーノ・ロータの映画音楽集#3
「甘い生活」Titoli Di Testa : Nino Rota
フェリーニのネオリアリズモからの変身は
此の「甘い生活」から始まる。
豊かになったイタリア経済に伴うブルジョワの退廃に
モチーフこそ違え、ネオリアリズモと同じものを感じたのだろう。
しかし、そこに従来の映画文法とは違う
フェリーニ独自の新しいスタイルを生み出した。
観客を戸惑わせる、夢と現実の錯綜。
その表現に一役買ったのが此のニーノ・ロータの音楽
シシリー・メロディーとは全く違うもので
登場するグラマー女優アニタ・エクバーグの
甘美で妖艶なムードを更に盛り上げていた。
主人公グイドを演じたマルチェロ・マステレアンニは
「世界残酷物語」のヤコペッティがモデルだとは
先に出したが、その現代性はニーノ・ロータの
イタリアン・モダンジャズ的な感覚の冴えが感じられる。
全く懐の深い音楽性だ。
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