2017年9月26日火曜日

「われらが背きし者」(2016)
「寒い国から帰って来たスパイ」で有名なジョン・ル・カレ原作の映画化。
ジョンは英国情報機関MI6の出だから
この映画でも、それが絡んでくる。
主演はユアン・マクレガーだが
彼はスパイではなくて唯の大学教授。
結婚七年目に浮気をして、弁護士の妻と上手く行かなくなり
その夫婦関係修復のためモロッコへ観光旅行。
女房役のナオミ・ハリスが知的で良い。
「007 スカイフォール」にも出てたらしいが・・・。
そこで出会ったロシアのマフィアの幹部から
MI6との接触を頼まれる。
MI6とは何の関係もない筈の大学教授が
マフィアから亡命を図る彼らに夫婦もろとも
巻き込まれる羽目となる。
巻き込むロシアン・マフィア役のステラン・スカルスガイドの
演技が巧いので、その強引さも自然に見える。
彼の接触はマフィアの世代交代で、その二代目に
殺されるから自分の持つ情報を引き換えに
家族ごと英国に亡命をしたいというもの。
こんな人の良い役は米国ならトム・ハンクス
英国なら、ユアン・マクレガーに、ぴったり
早速、彼は英国に戻りMI6と接触する。
しかしロシアン・マフィアはマネーロンダリングの為
英国に銀行を設立するのに、元MI6で今は大臣にまで
なっている男を買収していた。
これに、その大臣の悪を暴こうとするMI6が立ち上がり
行きがかりで、その亡命を手伝う主人公夫婦は
何とパリからアルプスまでの大活劇となる。
何しろ此のユアンはSTAR-WARSのジェダイと違い
拳銃も持ったことのないひ弱なインテリ大学教授。
その彼が凶暴なマフィアの組織と戦う展開が面白い。
手際の良い演出はスザンナ・ホワイトという女性監督。
ル・カレの原作は、どうなのか分からないが
ラストのオチも効いていて楽しめる。

それにしても先に観たポランスキー監督の
「ゴーストライター」と言い、ユアン・マクレガーは
追われる役が、とても似合う。



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