「追撃者」(2014)
マイケル・ダグラスと言えば「危険な情事」で
グレン・クローズに横恋慕され鬼女の様に
追いかけられた役が記憶にあるが此れは、その逆。
大富豪だが狩猟が趣味の男を病気を克服して
映画に復帰したマイケルが貫禄たっぷりに演じる。
場所はカルフォルニアからユタ、ネバダ、アリゾナまで
繋がっているモハベ砂漠。
私は2度ほどロケで行った事はあるが
草木も生えぬ灼熱地獄。
まあ、装備なしだったら普通の人は1時間も持たない。
物語は、その地でトレッキング・ガイドを
している若者が重装備をした大富豪に狩猟の案内で雇われる。
此の若者をスピルバーグが「戦火の馬」で抜擢した
ジェレミー・アーヴァインが清廉に演じる。
大富豪は現地に到着するやいなや
彼が合図を出す前に射撃を始め
あろうことか、岩陰にいた土地の老人を撃ってしまう。
殺された老人は若者の友達でもあった。
通報しようとした若者を大富豪は制止し
大金で口止めしようとするが、それが無理だとわかると
態度を急変、彼に罪をなすりつけ
パンツ1枚で砂漠に放り出し、日射病で
彼が死ぬのを重装備車から、じっくり待とうとする。
その残虐さをマイケルが演じると現代性があってリアル。
しかし、その地はガイドで有る彼のよく知る一帯
殺された老人の砂漠の住処へ逃げ込む。
其処には水も地図もあった。
しかし、彼の追跡は執拗で其処をダイナマイトで爆破し
さらに追撃は続き、さて裸の若者の運命は?
まあ、ホーラー映画というかアクション映画というか
マイケルが”ブレードランナー”の
殺人レプリカントのルドガー・ハウアーに見えてくる。
癌を克服して映画復帰した71歳には
とても見えない鋭い目つきは悪役ながら立派に主役。
その恐ろしさがラストまでは「危険な情事」と同じ。
それにしても原作(「マデックの罠」)は有るらしいが
演出の巧さ、監督はフランス人ジャン=バティスト・レォネツティ
なかなかの才能である。
オチを話してしまったら観てない人に可哀想だから内緒ネ。
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