2017年6月13日火曜日

「殺し屋たちの挽歌」(1984)
今や巨匠となったスティーヴン・フリアーズが
「マイ・ビューティフル・ランドレット」で
ブレイクする前の日本未公開映画。
新人監督に、こんな贅沢なキャスティングで海外ロケを許した
プロデューサーは、その後ベルトルッチに「ラスト・エンペラー」を
撮らせたジェレミー・トーマス。
話は題名通り、強盗仲間を裏切りスペインに潜んでいる男の
殺しを依頼された”殺し屋”の物語。
此の殺し屋を「エレファントマン」のジョン・ハートが
殺される側の男を「コレクター」のテレン・スタンプが演じ
更に、殺し屋の運転手にクセ者俳優ティム・ロス。
もう一つオマケに途中で人質に成る女にラウラ・デル・ソル
此の四人が車でスペインの田舎からパリに向かうロード・ムービー。
殺す側に殺される側、もう少し緊張感があっても良いと思うが
殺される側のテレン・スタンプが
殺し屋の影に怯えて暮らす間に、図書館で本を読み
人生を悟ってしまったという設定で逃げようともしない。
逆に運転手のティム・ロスがキレ易く危ない。
それに女が凶暴で、やたら反抗し
早く殺してしまえばと観ている此方側が思ってしまう。
主役の殺し屋ジョン・ハートは寡黙で何を考えているのか
悩んでいるのか、全く解らない初期のヴィム・ベンダース作品風。
それでも、退屈することなく惹かれるのは
途中アンダルシアの風景の切り取り方がモダンで
観光ポスターに成るくらい美しい。
あっけなくラストが来るが
監督スティーヴン・フリアーズの狙いはサスペンスではなく
殺す側と殺される側の死生観の比較。
引用されるジョン・レノンが”死”について語った言葉など
全編をパコ・デルシアのフラメンコが抽象的に飾り
何とも不思議な余韻が残る映画だ。


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