「座頭市海を渡る」(1966)
シリーズ14作目の此れは海を渡るといっても
座頭市が海外へ行くわけではなくて
さすがに14作目となるとマンネリを避けようと
市が殺した奴の供養に、金毘羅船に乗って四国へ渡るというエピソード。
しかし、そこにも執拗に彼を狙う刺客が追ってきて
土地のヤクザに市の暗殺を頼む。
此の土地のヤクザと云うか野武士みたいな奴を
なんと山形勲が演じ、その貫禄と弓矢で市を圧倒する。
そう、悪役が強いほど、映画は面白い!
何せ山形勲は出演作がカンヌ、ベルリン、ベネツィア3大映画祭
そして米国アカデミー賞と4冠を制覇した名優。
その存在感は映画に厚みさえ感じさせる。
そして此のヤクザに虐められる村の名主が又、名優・三島雅夫。
こいつがズルくて「七人の侍」なら立ち上がるはずの
村人達と結託して、市をたった1人で野武士と戦わせる策略。
此の贅沢なキャスティングに、まだ若かった安田道代が
可憐さと健気さを見せ、殺伐とした話に花を添える。
色といえば脱ぎっぷりも良く、市もつられて脱ぐ。
巧い脚本は新藤兼人。此のひとはTVの「座頭市」にも
結構、脚本を提供していたのは勝新の信頼が厚かったから。
信頼が厚いといえば監督・池広一夫
大映の黄金期に贅沢に育てられているから
会社が傾いても映像のクオリティーが高い。
「十三人の刺客」程では無いにしても
見事な村のオープンセットは美術・西岡善信。
其処に西部劇よろしく馬で襲ってくる野武士達の迫力はなかなか。
出来不出来もあるが”座頭市”は勝新の目の黒いうち
あっ、目はいつも白目だったが、TVも本編も面白い。
コレクションはDVDとブルーレイで一杯だ。
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