2016年8月31日水曜日

ウーマン・イン・レッド(1984)
此の映画の主演で監督もしていたジーン・ワイルダーが亡くなったという。
83歳でアルツハイマーを患っていたらしい。
ハイテンションの演技が多かったから、その反動かもしれないな。
とにかく彼の映画は何れも滅茶苦茶面白かったが
強いて1つと云われたら私は此の作品を挙げたい。
まず映画は高層ビルの窓に立っている彼の
「何故、此処に立っているか?と言うと・・・」
と云うモノローグで始まり、回想場面へ移る。
出勤途中、彼の目が釘付けに成ったのは
駐車場の換気口から吹き上げる空気と
戯れる様にスカートを広げ快感に酔いしれる
The Woman In Red=赤い服の女だった。
モンローの「7年目の浮気」で有名なシチュエーションだが
此れは彼ならずとも男が夢中に成らない筈は無い!
その彼女が、後で有名なトップモデルと判り
街中に貼られた彼女の広告に
彼の熱い想いは、高まる一方。
あの手、此の手とアプローチをかけるが空回り
タイミング悪く、会社の別の女性に勘違いされる。
この女性を彼の実際の妻でもあったギルダ・ランドナーが
ストイックに演じ、観客の笑いは一気にMAXへと達する。
それでも彼の友達の1人が彼女にコネがあり
接触出来て、漸く彼女の部屋で想いを遂げらそうになるが
その寸前で、彼女の彼氏が突然帰って来るという良く在るパターン。
彼は窓から外へ逃げる・・・それが最初の場面という訳。
まあストーリィは映画「わんぱく戦争」で有名なフランスの
イブ・ロベール作品のリメイクらしいが
ジーン・ワイルダーが見事に現代アメリカに置き換えて
カミングアウトしたゲイの友達にどう対処すれば
良いか?と悩む仲間達や、それこそ妻子有る身で
別の女性に恋をしてしまった男の悲劇、いや喜劇を描いている。
その朝、彼の家庭で妻と子供たちが
”自殺をしようとしている男”のTVニュース映像の生中継で
窓の外に立っている彼の姿を観るというのが何ともスリリング。

さて結末は?まだ観ていない人の為に止めておこう。
まあ。希代のコメディアン
ジーン・ワイルダーの冥福を祈ろう。
そしてスティビー・ワンダーの“I Just Call to Say I Love You"
聴いた時、その曲が彼の映画の主題歌だったのを思い出そう。

0 件のコメント:

コメントを投稿