2016年5月10日火曜日


SHERLOCK/シャーロック 忌まわしき花嫁 (2016)
BBCが正月用に製作した「SHERLOCK」である。
コナン・ドイル原作を現代に蘇らせた
人気TVシリーズの新作とあって
オンエア前から楽しみにしていた私だが
感想は肩すかし。
”なんちゃってシャーロック”なのである。
元々が時代背景を現代に移し、テンポ良く
見せたから面白かったものを
シャーロックが麻薬で過去にトリップする話に
置き換えたって、どうしようも無い。
過去の事件も、自殺した花嫁が幽霊になって
夫を撃ち殺すという滅茶苦茶なもの。
シャーロックの台詞ならずとも
「幽霊なんて居る筈が無い!」と誰もが思うから
ウエディング・ドレスを着て歌う幽霊に
ウロウロされても観る方は全然怖く無い。
あくまでも”SHERLOCK”は科学推理なのだから。
ここからネタバレ!
結局、女性解放運動家たちが仕組んだ
男尊女卑の男たちへの復讐って事で話は終わるが
シャーロックの麻薬中毒は幻覚を呼び起こし
宿敵モリアーティが生き返る。
彼は一度死んだ筈だが前シリーズで生き返り
再びシャーロックに殺された筈。
それが、あの有名な「シャーロック最後の事件」の
原作通りの滝壺の前で戦うハメに。
此の特撮技術が素晴らしい!
昔、特撮は皆ロンドンの撮影所で制作されたものだ。

此の監督ダグラス・マッキノンは
TVのジェレミー・ベレット版
ビリー・ワイルダー監督の「シャーロック・ホームズの冒険」
スピルズバーグ製作の「ヤング・シャーロック・ホームズ」と
此れまでのシャーロック物、総てにオマージュを捧げ
引用するサービスぶりでマニアとしては嬉しい限りだが
初めて此れを観た人は何だかサッパリ解らないだろう。
だいたい、危ないシーンになると
現代に戻ったり、過去に帰ったりと
あらあら”なんちゃって”ばかりなのである。
まあ、正月用にお遊びで作られたのだから
イイ加減で良いのだが、もっとヒネリの効いた
結末=ラストが欲しかった。

それでも映像と編集は此のTVシリーズのファンを
充分、満足させるもので
ロケに使われた城や屋敷は”ダウントン・アビー”並みに
溜息が出るほど豪華で美しい。
お馴染みの犯行現場にシャーロックの
アパートの部屋一角を造り込み
カメラをパンで見せる演出は相変わらず面白いし
シャーロックの脳の中をテロップで出す仕掛けが楽しい。
私の「シャーロック・コレクションBOX」に
当然入る一編だ。

それにしても天下のNHKが
”映画の中に不適切な表現があります”の
テロップも出さず
シャーロックが推理に役立つと云いながらも
モルヒネ、ヘロイン、コカインと
”清原”並みに麻薬をバンバン打ちまくり
”イっちゃってる”場面が何度も出て来るのが可笑しかった。

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