2016年2月25日木曜日

 Picaro Katsu
此れは1988年に出版された吉田カツの画集。
大胆に油絵具で描き殴った太い筆遣いは
アフリカ等の原始的なフォーク・アートを連想させるが
それらとは又違う”性”や”風景”を匂わせる
繊細な色彩のモダンな感覚だ。
彼はイラストレーターとして
伊丹十三の映画ポスターや
フジサンケイ・グループのマーク
そして「翼の王国」の表紙など
我々の目には知られたものが多く在るが
私には「ミュージック・マガジン」の表紙の印象が強い。 
左からレノン、ボウイ、ストーンズと
似顔絵としては、ほとんど似ていないが
そのカリカチュアされた雰囲気は正に彼等の音楽そのもの。
彼のイラストレーターとしての力を感じる。

しかし彼の場合、イラストレーターよりも
画家として此の様に肉体を描いた作品に
彼らしさが出ている様に私は思う。
 彼の身体の中にくすぶっている情念がキャンバスに
火炎放射器でボーッと吹き付けられた気がするのだ。
 吉田カツ(1936~2011)
その風貌に似合わず、日本人離れしたタフでマッチョな
画風の人であった。

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