BS英雄たちの選択「藤田嗣治の戦争画、アッツ島玉砕」
此の番組は英雄たちの選択が歴史上
それは果たして正しかったか?を問うものだ。
画家の藤田嗣治が英雄かどうかは
かなり強引だと思うが
先月まで国立近代美術館での戦争画展や
映画「FUJITA」」の公開で企画されたものだろう。
とにかくフジタと云えば下の様なフランス女性を
乳白色の肌色で描いた作品を思い浮かべるが
第2次世界大戦で日本に戻り
戦意高揚プロパガンダの従軍画家として
此の様な地獄図を描いていたのは
余りにもタッチが違うので不覚にも知らなかった。
(本当に同じ画家の作品とは思えない!)
番組の主題は、彼が此の絵を描いたのが
果たして正しかったのか?を心理学者や文学者
そして社会学者のコメンテイター達が
それぞれの立場から解説した。
あの時代、沈黙するより戦争に加担した
藤田の選択を意外にも皆、概ね肯定していたのは
その絵が、何よりフジタの最高傑作であり
戦後から、余りにも時が経ったせいもあるだろう。
それより彼が軍医の長男として生まれ
森鴎外の後押しでパリへ留学
スペインから来たピカソ、イタリアのモジリアニと
外国人の才能を高く評価するパリの画商に売る為には
自分の”アイデンテティー”である日本を押し出す事だった。
地色を生かし、線描の浮世絵技法で油絵を描いて
彼は、やっとパリ画壇のトップクラスに仲間入り
その儲けた金で連夜カフェを豪遊散財。
一時は、我が世の春を楽しみ、描いた先から
飛ぶ様に売れた作品は、次第に飽きられ
散財した借金のツケに追われ
第2次世界大戦の勃発で、更に生活は苦しく成り
彼は日本に戻らざる得なかった。
そして戻った日本ではフランス帰りは敵視され
軍医の父の影響も有り彼は
戦争画を描かざる得なかったという事。
そして、その作品は戦争を正当化するプロパガンダとして
日本全国を巡回展示され、当時の日本人に”受けた”のだ。
でも私には此の絵が戦意高揚に繋がるどころか
戦意喪失する地獄図としか見えない。
戦前ナチスに弾圧されたゲオルグ・グロッスの画風にそっくりだ。
しかし、此れが”自分の会心の作”という彼にとって
それは母国で、やっと掴んだ自分のアイデンテティー
であった事などが、とても興味深く解説されていた。
戦後、その絵の為に画家仲間から戦犯扱いされ
居心地が悪く成った彼は、パリに戻り
自分の骨を納める為の教会のフレスコ画を描き
晩年、レコードの浪曲を聴いては
日本を恋しがったと云う。
最期まで安住の地を得られなかった異邦人の孤独を感じる。
番組の最後に、作家の高橋源一郎が
”今の戦争は形が見え辛くなっているから
自分の作品が戦争に加担している
もしくは、利用されているのか
もう一度考える必要が有る・・・”の発言が
心に残った。






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