2015年11月14日土曜日

ブラック・ライダー (1971)
シドニー・ポワチエの初監督作品だったそうだ。
当時は失敗作と言われたが、今観れば中々のもの。
「野のユリ」「夜の捜査線」で黒人公民権運動の
担い手俳優としてハリウッドで頑張って来た彼らしい
白人の黒人差別を西部劇に持ち込んで
当時の悲惨な現状と戦うヒーローを描いている。
相手役に歌手のハリー・ベラフォンテを起用。
その軽妙な演技が重いテーマを救っている。

話は南北戦争後、奴隷から解放された黒人達が
新天地を求め幌馬車で西部に向かおうとするのに
南部の綿花畑の地主達に雇われた白人の無法者たちが
幌馬車を襲い、黒人達を虐殺し、財産を奪い
「お前達は南部で昔通り働くのが運命なのだ」と前進を阻む。
此の無法者のボス役のキャメロン・ミッチェルが憎々しい。
此れに南北戦争から除隊し、幌馬車隊のリーダーと
なっているポワチエが抵抗する。
一方、ベラフォンは牧師の格好をしているが
聖書片手に物欲だらけなサギ師で
もっぱらコメディ・リリーフを担当。
無口なポワチエはイーストウッドの様で、やたら格好良い
(どちらも監督だから自分の見せ場を作るのは上手)

何度もピンチに見舞われながらも
二人のコンビは何とか乗り切るが
さすがに幌馬車隊は壊滅的な急襲を受け
全財産を奪われ、前進が不可能に成る。
そこで二人は無法者達から金を取り返そうと
彼等のアジトを急襲するが金は使われて
無くなっていた。
それで二人はポワチエの女房も加え
銀行強盗を計画・・・と
何処かで観た様な展開は
先に公開されたアメリカン・ニュー・シネマの
「明日に向かって撃て」の影響か?
(上の写真のシーンなんかソックリ!)

とにかく、ポワチエならではの”視点”で描かれる
黒人から見た西部開拓史が興味深い。
先住民族のインディアンまで登場し
”我々の敵は、お前等の敵と同じだ”と
インディアンが一緒に戦うのが、痛快だ。
だから流石に白人達には受けなくて
アメリカでは興行成績がコケたのだろう。

ポワチエは此の先の「失われた男」(1969)で共演した
フランスの女優ジョアンナ・シムカスと結婚。
ジョアンナは「若草の萌える頃」(1969)で
確か、黒人青年に恋をする役だったから
「冒険者たち」の監督ロベール・アンリコを
ふってアメリカへ渡ってしまったのだろう。
ジョアンナが夢中になったのも無理は無い。
それにしてもベラフォンテが巧いのに驚いた。
そう云えば「拳銃の報酬」(1959)で既に主演していたな。

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