ファンボーイズ(2008)
此のポスターを見ると誰もが「スター・ウォーズ」の
パロディ映画か?と思うだろう。
でも少し違うのだ。
確かに「スター・・・・」をネタにしているが
此の映画、その昔「スター・・・」の監督
ジョージ・ルーカスが撮った初期の作品
「アメリカン・グラフィティ」の様な仕立てなのだ。
とにかくハロウィン・パーティで久しぶりに集まった
「スター・・」大好き!の高校同級生4人が
仲間の1人がガンで余命3ヶ月と診断され、
半年後に公開予定の「スター・・・」の新作を
観られないという切ない話に、一念発起
いっそ、ルーカスの本社へ一緒に忍び込んで、
公開前に皆で観てしまおうと企む話だ。
ロスからラスベガス、そしてサンフランシスコと
マイクロバスの珍道中=ロード・ムービーは楽天的で
旅の途中「スター・トレック」のフリーク
”トレッキー”との大喧嘩も含め
思春期の若者らしい下ネタだらけが笑わせる。
とにかく映画「スター・・・」のディテールは
やたら詳しいが、とんでもないオ馬鹿な4人
そう「スター・・・」のファン、つまり”ファンボーイズ”は
いつまでも大人に成れず、宇宙のロマンを
追っている奴らの事なのだ。
それでも、いつかは大人に成ってしまう彼らの
”最期の時間=青春”が
此の映画には愛おしく描かれている。
キャスティングに有名俳優は使われていないが
皆、役にピッタリな若手ばかり
生き生きした演技は監督カイル・ニューマンの
演出に依るものだろう。
処どころに「スター・・・」のレイア姫こと
キャリー・フィッシャーや、ランド男爵の
ビリー・ディ−・ウィリアムスが良い役で登場し
懐かしくも楽しませ
又「スタートレック」のカーク船長の俳優
ウィリアム・シャトナーが、そのまま当人として
出て来る映画の”遊び”も有る。
脚本も,編集のテンポも良く
始めから終わりまでドタバタに笑い転げさせられ
そして”面白うて、やがて哀しき”結末は?
「スター・ウォーズ」が元ネタのコメディと云えども
青春映画として,完成度の高い佳作と成っている。
特に、友情に包まれ、此の世に想いを残す事無く
静かに逝く若者の満たされた表情が
此の作品に温かい余韻を残す。
此の映画当初、B級映画として
アメリカの国内公開のみだったが、評判を呼び
日本は元より全世界公開になった事でも
出来の良さは証明されよう。
さて更に現在、新作が製作されていると云う
「スター・ウォーズ」シリーズ。
果たして私は、何作まで観られるのだろうか?
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