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長編アニメ・Arrugas(しわ)2012
スタジオジブリが配給している此れは
スペインのマンガ家パコ・ルカの原作を
アニメ監督イグナシオ・フェレーラスが映画化したものある。
現在,世界中で4000万人居ると云われる
認知症患者をテーマにしている。
冒頭、銀行で融資を断ったのは父親の妄想
息子が朝食を食べさせようとしているのに
父親は銀行支店長時代の幻覚の中に居るのだ。
此の哀しくも可笑しい物語は実写でも描けると思うが
アニメーションで、なんともユーモラスに仕上がっている。
その息子は手に負えず,父親を施設に入れる。
そこには彼の様な老人が男女沢山入れられており
まだ完全に惚けてはいない彼には戸惑う様な事ばかり起きる。
相部屋の老人は彼より、しっかりしていて
新人の彼をなにくれと面倒を見てくれる。
しかし、その同室の老人は認知症が進んだ仲間を騙し
金を取って居る様に彼は感じる。
実際、彼の財布や時計もいつか無くなっているので
彼を犯人と疑うが・・・と云うのが主なあらすじ。
認知症の第一症状に他人にモノを盗られた様に
感じるというのが有るそうだ。
此の物語で主人公は、かって名誉も地位も有り
教養もあるので、いつも親切にしてくれる
相手を疑うが躊躇している。
しかし彼は施設の部屋を
オリエント急行の列車の中と妄想している
老婆には、車掌に扮して金を取り
子犬を欲しがる老人には外の業者に手配して
小銭を集めている。
彼は本当に施設を利用した悪人なのか?
或る夜、主人公はオープンカーを借りた彼の誘いにのり
居合わせた老婆と3人で施設を抜け出し
運転は久しくしていないという
彼の運転でドライブに出かけ
電柱に衝突事故を起こしてしまう。
運良く,全員助かるが
脳を怪我した主人公は完全に認知症患者に。
そして今は、一人となった同室の仲間が
主人公のベッドの裏から見つけたものは
・・・。
大切な人の愛さえ、感じられない認知症の悲劇。
物語は悲惨で目を背けたくなる筈だが
アニメーションのタッチで和らげられ
ほのぼのとした気分に。
しかし、明日にも我が身に起こる現実だ。
私は昔から忘れ物が多く
最近は特に探し物に費やす時間が増え
アルツハイマーが既に始まっているのでは
無いか?と不安を抱いている。
そんな自分と、どう付き合えば心のバランスが
保たれるのか?は,此れから大事なテーマだろう。
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