2015年6月26日金曜日

岸恵子(!932~)
最近「サワコの朝」に出ていた彼女が
30年前、私が彼女の娘マイコちゃんを撮った時
ステージ・ママとして来た頃と
少しも変わっていなかったのに、びっくりした。
番組の中で、彼女曰く「皆さんワタシを化け物と云うけど
ワタシにしてみれば、どうして貴方はそんなに
皺だらけに成っちゃうの?なのよ」だそうだ。
その30年前だが、娘を綺麗に撮って貰いたいと
彼女は監督の私の側に付きっきり!
娘の為に私に気を使い、大女優に優しくされた私は
彼女は元の旦那(イブ・シャンピ)の様な
禿頭が好みか?と勘違いしそうになった。
カメラマンは彼女の足が綺麗だと
娘より母親を撮りたがった・・・それはさておき
彼女の日本映画に置けるキャリアは素晴らしいものである。
当時人気絶頂の鶴田浩二と浮き名を流し
共演した「ハワイの夜」は大ヒット
続く「君の名は」シリーズは日本中の映画館を満杯にした。
そして日仏合作の「忘れ得ぬ慕情」の監督
イブ・シャンピを追ってパリへ。
その国際結婚に日本のファンは衝撃を受けたものだ。
それでも、彼女に日本の映画界はオファーを続け
彼女はパリと東京を往復しながら
小津安二郎の「早春」、豊田四郎の「雪国」
木下恵介の「風花」、市川崑で「おとうと」
小林正樹で「怪談」、斉藤耕一で「約束」
山田洋次の「男はつらいよ・私の寅さん」
と何れの作品も、その年のベストテンに入る名作揃い
出稼ぎで、此れだけの足跡を残した女優は
過去に例がないだろう。
しかし、女優としての成功と結婚の掛け持ちは
難しく18年目で破綻した。
その後も市川崑作品にはレギュラー出演。
そのフランス仕込みの洗練された美しさは衰えず
まさに冒頭の”化け物”と呼ばれる熟女ぶりである。
それだけでなく彼女は文才も有り
エッセイに小説と、その知性も輝いている。

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