2015年3月11日水曜日

ザ・バンク堕ちた巨像(2009)
あの「パヒューム」の監督トム・ティクヴァのアクション映画である。
主人公はインターポールという国際犯罪を取り締まる組織に属していて
国際メガバンクIBBCの違法行為を追っているが
次々と、その証人が事故を装って消されて行く。
IBBCは紛争国双方に武器を売り借金をさせ
裏で国際情勢を操っている悪徳巨大銀行なのだ。
私は本格的に資本主義や経済学を学んでいないが
ヤクザが女をシャブ(覚せい剤)漬けにし、
云うがままに客を取らせる方式と同じ
金儲けの為に銀行という組織が暴走する仕組みが
アクション映画ながら解り易く説明されている。
その武器売買に絡んだ重要参考人として
欧州最大の軍事メーカー社長で次期イタリア大統領候補
でもある男にインタビューしようとした主人公は
目の前で彼を暗殺されてしまう。
しかし主人公は、その殺し屋を現場の足跡から義足と特定し
ベルリン、ルクセンブルグ、ニューヨークと追跡する。
速いテンポがアクション映画として一流の完成度で
N.Y.のグッケンハイム美術館の銃撃戦は正に迫力満点。
螺旋状に繋がる中央階段は8層以上は在るだろうか?
それを全館使って撃ち合い壊しまくるので
良く美術館ロケのOKが出たなと思ったら
それは撮影用レプリカの超巨大セットとか。
さすが「パヒューム」で群衆乱交シーン撮った監督
その凄さが玄人にしか解らないスケールの大きさで
此のシーンだけでも、観る価値は有るだろう。
インターポールとIBBCは組織として繋がっているので
法では裁けないと悟った主人公は
決着を付けようとイスタンブールまでIBBCのボスを
追いつめるが・・・と言うのが大筋。
マット・デーモンの「ボーン・シリーズ」では殺し屋を演じ
でも「キング・アーサー」では主役のアーサー王までやったが
何とも”うだつ”の上がらないキャラが此の映画に向いていた。
それとIBBCの幹部で元・東ドイツの秘密警察を
「ベロニカ・フォスのあこがれ」「我が心のボルチモア」等の
ドイツの名優アーミン・ミューラー=タールが演じて
その風格が作品にリアリティを出している。

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