2015年2月22日日曜日

第2次スペクタクル映画
此の映画の製作プロジェクトは当初から3部作として企画され
作られていた訳ではない。
余りにも長過ぎたので3部構成に成ったと云う。
それでも先の「旅の仲間」が178分
此の「二つの塔」は179分、3時間に僅か1分足らないだけ。
映画館の上映方式の常識を破っている。
 ロード・オブ・ザ・リング:二つの塔(2002)
前回、怪しい目だけ映していた化け物ゴラムが登場する。
その醜い姿に顔は人間の死体寸前、地獄絵の餓鬼そのもの。
そのキャラクターをモーション・キャプチャー専門俳優の
アンディ・サーキスを使って動きや表情をC.Gに映し変えている。
彼の演技にアカデミー助演賞をあげたいというファンが多い。
監督ピーター・ジャクソンのイメージは時として
あの鬼才監督ポール・バーホーベンに似て
グロテスク嗜好に走り、異常なものがある。
此の後の「キング・コング」でもゴキブリやナマコの
巨大な奴の攻撃に私は悲鳴を上げた。
まあ、それはともかく指輪を魔力を封じるため遥か彼方の火山に
それを納めるべく主人公は従者とゴラムと旅を始める。
その間にも悪い魔法使いが魔力で土から生み出した
獣の軍団を組織し、村を襲い、其処から逃れた人間達は
難攻不落と云われた谷間の砦に籠る。
そこに押し寄せる武器と鎧に身を固めた数万の獣軍団。
果たして弱い人間達は砦を守りきれるかが此の第2部だ。
例によってC.G.で緻密に増殖された獣と人間の戦いは
暗闇、雨の中と条件を変え、ダイナミックに繰り広げられる
途中で、その余りの執拗さにウンザリして来る。
それを飽きさせないのがホビットの他の2人。
彼等が逃げ込んだ森に樹の精霊というか
大木が人間の様な表情を持ち、太い根が足と成って動くのだ。
此れは「ネバー・エンディング・ストーリー」の
動く岩の化け物を思い出させる。
その精霊たちが悪い魔法使いの城へ攻め込み
積を崩し大洪水を起こすスペクタクル。
こんな特撮を「十戒」や「ベン・ハー」の監督が観たら
さぞかし悔しがるだろう。
此の二つの塔の戦いを同時に見せるサービスぶりは
”鰻重のひつまぶし”の様で満足感充分。
とても3部作の中間、つなぎの作品とは思えない。

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