バート・ランカスター(1913〜1994)
彼は星屑と呼べない大スターだ。
改めてヴィオグラフィーを調べたら、その足跡の凄い事。
若い頃は肉体美を誇るアクション・スターとして
「ベラクルス」「アパッチ」「OK牧場の決斗」
西部劇に数多く出演、それだけでなく
「地上より永遠に」「成功の甘き香り」と文芸作品でも
成功し、同じ肉体派のチャールトン・ヘストンに
大きく差を付けただけでなくハリウッドの社会派として
「明日なき十代」「終身犯」「5月の7日間」とTV出身の
監督ジョン・フランケンハイマーと組み
ジョン・ヒューストン監督の「許されざる者」では
当時はタブーであった人種差別問題にも参加していた。
そしてイタリアのルキノ・ヴィスコンティ監督に呼ばれ
「山猫」では没落イタリア貴族を見事に演じ
国際俳優としても評価された。
折からのアメリカン・ニューシネマには
フランク・ペリー監督の「泳ぐ人」で前衛的な作品を作り
「ダラスの熱い日」ではドキュメンタリータッチで
JFKの暗殺を映画界では初めて告発している。
ハリウッドのトップ・スターとして長い間活躍し
主役こそ若手に譲った後も、渋い脇役として作品に
風格を出していた。
再びイタリアに呼ばれヴィスコンテイ作品「家族の肖像」
ベルトルッチ作品の「1900」でもイタリア貴族
フランスのルイ・マル監督のアメリカ進出に手を貸し
「アトランティック・シティ」
米伊西ドイツ日本4カ国合作TV映画
「マルコ・ポーロ/シルクロードの冒険」に参加
イギリス映画の「ローカル・ヒーロー/夢に生きた男」
サム・ペキンパーのアクション映画「バイオレント・サタデー」
野球映画の傑作「フィールド・オブ・ドリームス」と
何れの作品でもコアになる役を演じ続けた。
夜空で一際、静かに男臭く輝く星を見つけたら
それはバート・ランカスターかもしれない。
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