2014年10月22日水曜日

コロンビアーナ(2011)
リュック・ベッソンは「ニキータ」「レオン」と
女殺し屋が大好きな様だ。
此の映画も、両親を目の前で殺された幼い娘が
復讐の為に殺し屋になるという、得意な脚本を書き
自分は製作に回り、新感覚の監督オリヴィエ・メガトンに
演出を任せている。
コロンビアーナ=コロンビア人
というタイトル通り、話はコロンビアのボコダという町から
始まるが、此の空撮が現代とは思えない
いかにも麻薬組織の巣窟らしい
モロッコのカスバの様で迫力がある。
突然、孤児になった少女が、追っ手から逃げるシーンに
緊張感があり冒頭から、ぐいぐい引き込まれる巧い構成だ。
下の写真が、その娘と父親の別れの場面。
父親に、もし自分に何かあったらシカゴの叔父さんを頼れと
云い残された娘は、アメリカ大使館に逃げ込み
”お前のパスポートだ”と渡された
麻薬カルテルの情報の入った
マイクロチップをゲロと一緒に吐き出す。
それで彼女は保護され、なんとか、
シカゴの叔父さんの下に辿り着く。
シカゴのギャングながら、その優しい叔父に
会えた娘は健気に
「ワタシ、殺し屋に成りたい!」と告げる。
それから15年・・・
「ニキータ」「レオン」では
女の子の殺し屋修行のプロセスを見せたが
此の映画では、それらを一気に省いて
見事に殺し屋に成長した娘の鮮やかに手口を見せる。
彼女は両親の仇を討つべく
その組織の人間を次々と殺して行く。
それはカルテルのボスをおびき寄せるワナとして
現場に、自分の名前のカトレアの花をワザと置いて行く。
此の女殺し屋カトレアを演じているのが
「アバター」でブレイクした黒人女優ゾーイ・ソルダナ
その褐色の肌の、鍛えられた身体が素晴らしい。
まさにアニメの「攻殻機動隊」のヒロインの様。
「ボーン・アイデンテティー」「新・007」以来
やたらアクロバティックでスピーディな
最新のアクション・シーンを難なく熟(こな)し
「バイオハザード」シリーズの
ミラ・ジョヴォヴィッチに勝るとも劣らない
動きの切れの良さ。(まあ編集の巧さもあるが)
それでいて哀しい物語の必然性から
何処か憂いを含んだ表情が、なんともセクシーだ。
此の女優・年齢が現在36と若くは無いが、
知的な風貌も期待が持て
恐らく此れからも様々な作品で活躍するだろう。
ラストに流れるカントリー歌手ジョニー・キャッシュの
遺作となった”Hurt"に余韻が残る。

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