2014年8月27日水曜日

他にたいして観るものも無いので
BSの「鬼平」と「木枯し紋次郎」を予約録画している。
どちらも長いシリーズだから、マンネリだが
その中で、此の2本が比較的面白く観られた。
鬼平犯科帳・第2シーズン39話「四度目の女房」
実は盗賊と知らず、亭主・伊之松に
心底惚れた情の深い女”おふさ”が
突然消えてしまった亭主を待つ間、茶屋で働く内に
その盗賊の頭に犯され、身体を売る様に成る。
亭主・伊之松、実は行く先々で女房を作り、実のところ
おふさは四度目の女房だったという酷い男だが
おふさが頭の手下に横恋慕され
首を絞められて殺されたと聞き、
江戸に舞い戻り、盗賊の頭を殺し、敵をとろうとする話だ。
此の”おふさ”を森口瑤子が、けなげに演じている。
茶屋の女将の入江若葉の年増ぶりが良い。
過去の有りそうな亭主・伊之松役に西岡徳馬。
配役の妙で”鬼平”の出番以前に
男女の”性”の不可解さを丁寧に描いた
小野田嘉幹の演出が冴えていた。

一方、市川崑のデザイン・センスが洒落ていた
此のシリーズ3番手に、誰が起用したか
特撮の下手な大林宣彦のタイトルが
腹が立つほど酷いのは我慢がならないが
内容は、そこそこ頑張っている。
「新・木枯し紋次郎」第35話「明日も無宿の次男坊」
コチラも配役に当時、女盛りの宇都宮雅代が
亭主を流れ者に殺される女房を演じ
(此の女優は声がとても良い、もっと活躍して欲しい)
その義姉に惚れて家を追い出された弟に高橋長英。
そして、その殺された亭主の敵をとろうとする父親に
ヤクザ映画では散々悪役をして来た内田朝雄。
此のキャスティングの妙と巧みなシナリオで
ヒネリの利いた物語に成った。
監督は大映で座頭市を撮っていた池広一夫。
「鬼平」と「木枯し紋次郎」どちらも主役の
中村吉右衛門と中村敦夫は、ほぼ狂言回し
今では中々観られない巧い役者のアンサンブルを
楽しむのがコツ。

処で、俳優・米倉斉加年が26日亡くなったと。
私は昔、紀伊国屋ホールの「ゴドーを待ちながら」の彼を観ている。
山田洋次の「男はつらいよ」シリーズに
何度か寅さんのライバルとして登場
シリアスながらコミカルな演技で笑わせた。
そしてテレビでは「鬼平」にも登場し
第1シーズン9話「凶賊」の老盗賊・鷲原の久平の渋い演技は
スペシャルで同じ役をやった小林稔侍より数段良かった。
薄っぺらな下手な役者がテレビにのさばり
地味だが巧い役者がどんどん消えて行く・・・。

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