2014年5月22日木曜日

ニコラス・ローグ作品集
彼は監督になる前のカメラマンとしての経歴が既に凄い。
撮影監督としての作品はジャケット右側。
デヴィッド・リーンの超大作はもとより
ヌーベル・ヴァーグのフランソワ・トリフォー作品
そして当時、新進気鋭のリチャード・レスターの作品と
此れだけで、世界映画史に記録される人である。
その彼が監督としてデビューしたのは左側の端の
ミック・ジャガーを起用した「パフォーマンス青春の罠」
そして以前”そそる映画”で紹介した「赤い影」
デヴィッド・ボウイ主演のSF「地球に落ちて来た男」と
何れも異色作、話題作を連発し、その人気で
一時は”ニコラス・ローグの時代”とも云われた。
しかし、その感覚的な作風は斬新さと難解さが同居していて
観客は観終わった後、キツネにつままれた様に混乱し
所謂アート・シアター系の映画館のみの上映と
成ってしまった。
映画は様々な解釈が可能であり、それぞれ自由に
イメージを膨らませて良いものだ。
しかし彼の映像は魅力的だが
エモーションを掻立てるストーリー性の欠如を感じる。
それは元カメラマンとして映像に頼り過ぎる結果だろう。
それでも未公開の作品はDVDででも観たい。

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