2014年1月13日月曜日

伊福部昭の映画音楽:その6             
 
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座頭市物語(1962)
ご存知、勝新太郎の当たり役・座頭市はそれまで
同じ会社の長谷川一夫や市川雷蔵の後を追っていた彼が
白塗りを捨て、悪役を演じた「不知火検校」(1960) の成功で
更なる勝負に出た作品だった。
子母沢寛の数ページの短編を脚本家・犬塚稔が
天保水滸伝に絡め、膨らましたもの。
既に「悪名」のヒットで自信を付けていた勝新は
此の新しい役に盲人の仕草のリアリズムを丁寧に
取り入れ、其れまでの日本映画に登場しなかった
汚れた主人公ダーク・ヒーローを誕生させた。
封建社会で身体障害者として生き抜く為に
そして虐待されるのを防ぐため剣道を学び
表向きは按摩、実はヤクザの用心棒として
生計を立て、旅をする孤独な男を演じた。
監督の三隅研次は大映のエースとして永田雅一に
国内初の70mm映画「釈迦」を任されるくらいの実力派
おそらく、その時、作曲家・伊福部昭との出会いが有ったと思われる。
しかし「釈迦」のスペクタクルとは程遠い
モノクロの陰惨な此の作品に伊福部の音楽が被ると
そこには盲人の生きるが為の苦労や哀しみに
不運な平手酒造(天知茂)との男の友情が強調され
只の娯楽作品に収まらないエモーショナルな
新しい映画の誕生と成った。
座頭市が杖をついて危なそうに道を歩くリズムは
伊福部の書いた”ボレロ”に見事にシンクロし
勝新も、こよなく此の音楽を愛したと云う。
後年、東宝の怪獣映画同様シリーズ化した為、マンネリに
陥った此の音楽だが”座頭市”には必要不可欠な
要素だったのだ。

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