上田吉二郎(1904〜1972)
観るからに悪そうな人相は時代劇での悪役にうってつけ
そのダミ声が強烈な個性を印象づけた。
早くから、それ専門だったが黒澤明は特に気に入り
「羅生門」から「隠し砦の三悪人」まで連作5本使い続けた。
「羅生門」から「隠し砦の三悪人」まで連作5本使い続けた。
溝口健二の「雨月物語」や豊田四郎の「夫婦善哉」そして
稲垣浩の「無法松の一生」でも、そのアクの強い個性が重宝された。
とにかく悪知恵を働かせたら一番という役は
現代劇でも「黒の試走車」シリーズでも目立ち
時代劇からヤクザ映画全盛になると又
彼は「悪名」シリーズでの狡い親父が、勝新の絶好のオカズとなり
楽しませた。
その悪役には可愛さも有ったのでTVドラマや喜劇でも活躍した。
しかし晩年、喉を煩い、声帯を除去し、その独特な声も
聞け無くなって亡くなった。
日本映画の創世記、巨匠達に愛された此の俳優は
自分の事を”巨匠”ならぬ”巨優”と称していたと云う。
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