2013年1月8日火曜日

(日本映画・男優編)
藤原釜足(1905~1985)
ここに登場した男優達に共通するのは皆、家が倒産し
何故か子供の頃から丁稚奉公させられている。
それでも彼の場合はオペラ俳優になりたかったらしく
ヴァイオリンまで習ったという。
前回の沢村貞子は、別れているが元妻だった。
戦前に東宝の前身P.C.Lで出会って結婚
でも10年後に離婚している。
黒澤明作品、成瀬巳喜男作品の常連
滑舌は決して良い方では無かったが庶民的な風貌で
時代劇から現代劇まで幅広く活躍した。
「隠し砦の三悪人」では千秋実とのコンビで長いセリフが覚えられず
望遠レンズで撮られているから黒澤監督には判らないだろうと
二人で適当に数字を数えていたというのは
有名なエピソードだ。

加東大介(1911~1975)
前回の沢村貞子は彼の姉、芸能一家で幼い頃から芸事に励み
歌舞伎、前進座と進み、戦前から時代劇の俳優として
中山貞雄の「人情紙風船」等に出演している。
太平洋戦争で兵役に取られニューギニア戦線で慰問の劇団を
組織し、後にそれは「南の島に雪降る」という小説になり
映画化もされた。
「七人の侍」の様な時代劇は勿論、得意だが
現代劇でも人なつこい風貌を生かし
「浮雲」「驟雨」「赤線地帯」等の名作で渋い演技を見せている。
私には千葉泰樹監督の「鬼火」という作品で
人間臭いガスの集金人役が印象深い。
森繁久彌との喜劇「社長シリーズ」はレギュラーだったが
やはり此の人は小津安二郎の「小早川の秋」「沈丁花」
成瀬巳喜男の「女が階段を上がる時」「乱れ雲」などの
優れた作品でこそキラリと光る俳優であった。

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