サハラに舞う羽
録画したものの暫く放って置いた此の映画をやっと観た。
物語は此の予告編で何となく掴めると思うが
物語は此の予告編で何となく掴めると思うが
19世紀末、大英帝国が世界の四分の一を支配下にしていた頃の話だ。
英国領スーダンの反乱軍を鎮圧するべく派兵される前日
将軍を父に持つエリート仕官の青年ハリーは
その派遣に疑問を持ち除隊してしまう。
連隊の仲間達から臆病者の象徴とされる羽を送られ
婚約した恋人からも更に羽が届いた彼は
何故か連隊を追って、ひとり戦地スーダンへ向かう・・・
此の青年を演じているのが夭折したヒース・レジャー。
私は「ダークナイト」のジョーカー役しか知らなかったので
此の映画で端正な顔立ちのナイーブな青年から
「ミッドナイト・エクスプレス」の様なワイルドな汚れ役まで
幅の有る演技をこなしているのに驚いた。
彼の死をファンが惜しんでいるのも解るような気がする。
彼の死をファンが惜しんでいるのも解るような気がする。
そして、もっと驚いたのは監督のシェカール・カブール。
此のインド人監督はケイト・ブランシェット主演の
「エリザベス」で、そのダイナミックな映像作りを見せていたが
此の映画では更にサハラ砂漠を「アラビアのロレンス」ばりの
スケールで描いて見せている。
砂漠の光の陰影を巧みに使い、迫力有る戦闘場面ですら美しい。
カメラは誰だ?と調べたら、ロバート・リチャードソン。
オリバー・ストーンと組んで「プラトーン」「JFK」
レッドフォードと「モンタナの風に抱かれて」
タランティーノと「キル・ビル1&2」と見事なキャリア。
もう一つ記憶に残ったのが主人公を助ける
黒人奴隷役のジャイモン・フンスー。
黒人奴隷役のジャイモン・フンスー。
このアフリカ系の原形を完璧に留めている俳優は
西アフリカのペナン・コトヌー出身
「アミスタッド」「グラディエーター」そして
「ブラッド・ダイヤモンド」と、いつも主役を食ってしまう
出て来ただけで存在感を漂わせ、映画に不思議な魅力が出る。
13歳でパリに来て、ホームレスまでしていたところを
デザイナー、ティエリー・ミュグレーに見いだされ
ファッション・モデルになってアメリカに渡り
先の「アミスタッド」で性格俳優として注目された。
原題“The Four Feathers"4枚の羽に取り憑かれ
自ら招いた過酷な運命とはいえ
サハラ砂漠を単独で横断するは
敵中にスーダン人に化けて同僚を救いに行くはと
彼は卑怯者どころか怖いもの知らずの男だったというワケ。
それを繊細なヒース・レジャーがやるから危なっかしくて
観ている方は面白い、まさにハマリ役。
原題“The Four Feathers"4枚の羽に取り憑かれ
自ら招いた過酷な運命とはいえ
サハラ砂漠を単独で横断するは
敵中にスーダン人に化けて同僚を救いに行くはと
彼は卑怯者どころか怖いもの知らずの男だったというワケ。
それを繊細なヒース・レジャーがやるから危なっかしくて
観ている方は面白い、まさにハマリ役。
英国文学の古典的名作の映画化だから流石に
現代感覚からするとモラルなど理解し難い部分もあり
シナリオも強引に感じるのはオンエアで
何処かカットされた部分もあるようだ。
それでもサハラ砂漠を舞台としたスペクタクルな展開は
アクション映画として充分楽しめた。
だからラストの甘いエンディングも許そう。
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