2012年10月25日木曜日

Boccaccio(ボッカチオ) '70
最近BSのチャンネルが増えて、1962年公開の此の映画を
ナント50年ぶりに観ることが出来た。
カルロ・ポンテイが製作し
フェリーニやヴィスコンティも参加したオムニバス映画だ。
4話の長編なので前後に分けて放映され、取り敢えずは
マリオ・モニチェリの”レンツォとルチアーナ”と
フェデリコ・フェリーニの”アントニオ博士の誘惑”の前編。
まず1話だが当時の若い夫婦の生活事情をコミカルに描いている。
イタリアらしい大家族に囲まれて中々二人だけの時間が
取れない夫婦が開きなおって新居を構える話。
撮影のアルマンド・ナッツィの斬新なカメラ・アングルが
新しいイタリアの風景と風俗を切り撮って素晴らしい。
まあ無名の男女俳優を使っているから客を呼べないと
公開時は此の1話だけカットされたらしい。
しかし2話のフェリーニ作品は此の映画の目玉というか
フェリーニがカンヌでパルムドールを取った「甘い生活」の
延長上にある作品なので流石に面白い。
「甘い生活」の有名な場面トレビの噴水でマストレヤンニと戯れた
グラマー女優のエニタ・エクバーグが
独身で堅物の老博士を悩ませるというもの。
その博士は最近のイタリアの風紀は乱れていると日頃から
露出度の高い水着ポスターを買い取っては引き千切り
善行をしたボーイスカウト達を表彰したりしている有識者。
ところが、突然、彼の家の前の空き地に
ミルクの広告で豊満な乳房を強調した
アニタが寝そべる巨大な看板が立てられてしまったのだ。
それ以来、彼は昼夜となく、その看板が頭に浮かび、遂には
巨大な彼女が幻覚と成って看板から抜け出してしまった。
今ならC.Gを使い巨大なアニタを作るのは簡単だが
当時の技術では無理だったらしくフェリーニは
カット・バック編集で博士と巨大なアニタを絡ませている。
それでも充分、意図する処が伝わって来て可笑しい。
フェリーニの巨乳好みは映画ファンなら皆知っているが
「甘い生活」以降、彼の作品すべてに、それらしき女性が登場する。
それも”怪女”に近いカタチで。
それを又観客が期待していたものだ。
私も、だいぶ前だがCMで、そのアイディアを頂いた事がある
此の映画の公開から20年は経っていたが
それでも、まだC.G合成は無理で、たった3日間の突貫工事で
久里洋二氏デザインの巨大な女性が完成したのには感激した。
フェリーニならずとも、世の男というものは
大きな女というか、大きな愛に包まれたいという
願望が有るのかも知れない。





2 件のコメント:

  1. 岩下さんが、大きな女性好きとは、、思いませんでした、、女子バレーが好きというところから、、当然かもしれませんが、、実は、わたくし、、でかい女性好きなんですが、、なかなかそういう機会に恵まれずに、今日に至ってしまった口です、、AKBとかってまったく興味がなく、、まあ、、まり子ぐらいでしょうか、、好きな女優は、エクバーグ、、ローレン、、ボッサナロデスタ、、ジーナロロぶりジータ、、とかが子供の時から好きです、、仕事で、ローマに行って暇な時間に、うろうろしてたら、、ベビーカーを押してる、、でかい奇麗なママがいて、、まさにフェリーニの世界と、、

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    1. 私は別に大女が好きというワケでは
      ありません。
      平均的に世の男性は巨乳に憧れると
      云っているワケで
      あの中国女子バレーの”まつこデラックス”
      みたいなスパイカーは潰されそうで怖いです。
      亡くなった今村昌平監督は一時
      作風がフェリーニに近づいてヒロインを
      春川ますみ、坂本スミ子、あき竹城
      そして沖山秀子と、それらしいのを
      使ってましたね。

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