2012年10月28日日曜日

Moon Songs (月の歌)#28
河上的月色:李香蘭
今夜は中国、それも蘇州辺りの川面に映る月を
李香蘭こと山口淑子が歌っている。
香港土産に頂いた「百代.中國時代曲名典: 蘭閨寂寂」と
いうアルバムに入っていた。
戦前の満州鉄道で中国語を教えていた日本人の両親から生まれた娘が
完璧な中国語を話せたので当時の満州映画協会から
中国人スター”李香蘭(リシャンラン)”と偽って売り出された。
天性の美貌と美声は瞬く間に日中両国で人気が出て
沢山の映画とレコードが制作された。しかし終戦時には
中国から祖国を裏切った女として裁判にかけられたが
日本人である事が証明され、刑を免れ母国に戻された・・・と云う
経緯(いきさつ)は劇団四季のミュージカルになっている。

私が彼女を知ったのは、だいたい小学4、5年の時
姉夫婦が連れて行ってくれた映画「白夫人の妖恋」(1956)でだ
既に山口淑子と改名、池部良とのコンビで監督は
「夫婦善哉」「濹東綺譚」の名匠・豊田四郎、その官能的な表現は
此の予告編でも凄いが、子供ながら、彼女の怪しい美しさに興奮して
その夜は、眠れなかったのを此の歌で思い出した。

0 件のコメント:

コメントを投稿