2012年6月7日木曜日


組織:ジョン・フリン
最近TSUTAYAでは”発掘良品”と銘うって60年代辺りの旧作を
パッケージをリニューアルしてレンタルしている。
大体は持っているものが多いが、それでも正に良品=佳作に出会う事がある。
此の「組織」もタイトルに見覚えは有ったが見逃していた。
しかしDVDのケースに載って居た出演者の顔ぶれに飛びついた。
ロバート・デュバル、カレン・ブラック、ジョー・ドン・ベイカー
そしてロバート・ライアンと来たら、知る人ぞ知る60~80年代の名優ばかり。
冒頭、タイトル前、タクシーに乗った牧師姿の殺し屋に
此の映画が普通でない事が窺える。
主人公はロバート・デュバル。
此の若い時から禿げた役者は、TVの「逃亡者」等で
頭角を現し、ロバート・マリガンの名作「アラバマ物語」の
隣人ボー役で映画ファンには忘れられない記憶を残した。
その後も「ゴッドファーザー」「地獄の黙示録」と
渋い演技は彼が出ているだけで作品のレベルを上げている。
その彼が此の映画では実兄と強盗した銀行が
実は組織=マフィアの持ちものだった事から
その罪で服役、出所したら兄は殺され,
愛人も自分を殺す手引きまでしているのに怒った彼が
「冗談じゃねえ、落とし前を付けたろうか?」と
復讐を開始するというのがシナリオ。
どこかで観た様な?そうジョン・ブアマンの「ポイント・ブランク」と
良く似てると思ったら脚本のリチャード・スタークは
「ポイント・・・」の作者そして脚本家だった。
しかし、此の映画では「昭和残侠伝」の池部良みたいな役で
かっての仲間ジョー・ドン・ベイカーが勝ち目の無い戦いに
「お付き合いさせて貰いましょう」と片棒を担ぎ
その男の義理人情の熱さが泣かせる。
此の役者も敵役が多いが、太ってからのプレスリー似で
出て来ただけで、相手が怯む迫力が有る。
そして一度は寝返った愛人も、もう成る様に成れと復讐に参加。
此の愛人役がカレン・ブラック。
「イナゴの日」「エアポート75」「ナッシュビル」の様なヒステリー演技は
男たちだけのヤクザ映画に入れた
香りの強いスパイスの様にドラマを面白くする。
リチャード・スタークのシナリオは次々に相手の裏をかき、
ボスに近づいて行く前にも必ず変な女たちが絡み
それが物語の展開にヒネリを効かせ全く飽きさせない。
そして組織のボスにはロバート・ライアン。
長身で裏ぶれた感じの此の俳優のキャリアは
私の好きな「ワイルド・バンチ」や「狼は天使の匂い」と素晴らしい。
此の映画でも、その底知れぬ怖さにサスペンスが盛り上がり
ロバート同志デュバルvsライアンの勝負は、まるで予想がつかない。
映画は、まず良いシナリオにキャスティング。
此れを得て,思う様に演出したジョン・フリンという監督を
調べたら何と、やはりハリウッド版ヤクザ映画の
怪作「ローリング・サンダー」を撮った人、いやはや失礼しました。
その晩年こそ、スターローンやセガールのアクション物の
お抱え監督に成ってしまったが、此の頃の彼は
実に演出のキレが良く、只のバイオレンス・アクションでは無く
彼独自のフィルム・ノワールを描いていたのだな。









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