2022年10月21日金曜日

イベリア半島音楽 #5
 O baile (Das sete partidas):Sétima Legião
イベリア半島の端の方に位置するポルトガルは
その昔、船で世界を制覇して我が国にも来ているが
その音楽も多様だ。
此のセテマ・レジャンは1980年にロドリゴ・レオン等が
立ち上げたロックバンド、
ロックと言えど中世教会音楽などに興味を持ち
叙情的なサウンドは後に”マドレデウス”へ引き継がれ
ソロになってミニマムなソロアルバム”Ave Mundi Luminar"で
大成功を収めた。






 

「突破口」(1973) : ドン・シーゲル監督
此れはウォルター・マッソー出演集と監督ドン・シーゲル作品集
のどちらかにDVDが有るはずだと探したら、どちらにも入っていた(笑)
それでも、つい先日のTVオンエアに、又観てしまった。
もう4、5回は観てるはずだがディテールは殆ど忘れてる。
ウォルター・マッソーが若い!
そうオープニングは銀行強盗で変装してるから
爺さんで晩年の彼そのままなのが可笑しい。

話は曲芸ヒコーキ乗りの夫婦が事故で怖くなり廃業
農薬散布業に切り替えたものの儲からないので
仲間を集め銀行強盗を始める。
襲ったのは地方の小さな銀行だったが
それがマフィアの隠し金を扱っていたので大金を手にしてしまう。
その時、見張りの妻がパトカーの警官に撃たれてしまう。
仲間1人は撃たれ、もう一人と逃げられたもの。
警察とマフィアと双方からの追われの身
さて、その金をどうしたものか?が映画の概要。

驚くほど丁寧に描かれた地方の町の平和な風景は
その後の修羅場とのコントラストに効いている。
そう目を見張るのは監督ドン・シーゲルの演出力。
背景のシュチュエーションが米国中西部の珍しい場所ばかり
中華料理屋の奥に賭博場やビリヤード。
此処に監督がヒッチコックみたいにチラッと映る。
それと銀行の前で車のナンバーを教えに来る少年は
ドン・シーゲルの実の息子。
それとウォルター・マッソーを追うマフィアの殺し屋の
ジョードン・ベイカー始めキャスティングの面白さ。
特に彼らが住むキャンピングカーの隣りに住む婆さんの
キャラクターなど凄惨な話の展開の中に遊びが沢山。
此の演出力を弟子と称するクリント・イーストウッドは受け継いでない。
むしろ、あのコーエン兄弟が盗んでいる。

ウォルター・マッソーはジャック・レモンとコンビで
大好きな俳優だが、そのトボけた表情は
此の映画で死んだ妻を車ごと火葬するのに
何度もキスをする感情を抑えた演技や
黙々と追っ手に逆襲する行動が、何とも格好良い。
うーんジャック・レモンに此の役は出来ないだろうな。




2022年10月20日木曜日

「ザ・ガンマン」(2015):ピエール・モレル監督
マカロニ・ウエスタンと間違えそうな題名で、
てっきりショーン・ペンの西部劇かと観たら
ガンマンというよりスナイパー狙撃手のことだった。
原作に惚れ込んだショーン・ペンが主演兼製作も。
「ミスティック・リバー」でオスカー俳優となった彼も
此の時57歳、元特殊部隊出身という設定に役作りで
鍛えた身体が見事。
それでも度重なる戦闘で彼は脳に障害ありがサスペンスを生む。
話は、欧州の一企業がアフリカ・コンゴの内政干渉の為
その地の政府要人の暗殺に彼が雇われる。
それは成功し彼は何年か国外に逃亡していたが
元の恋人を探す為、再びコンゴに戻った彼は
何者かに命を狙われる。
それが誰か?を突き止める為スペイン・バルセロナに
戻った彼を執拗に命を狙う一団。
しかも恋人は昔のスナイパー仲間と結婚していた。
此の仲間をスペインの名優ハビエル・バルデムが
演じていて敵役として申し分ない。
特殊部隊出身といえど主人公は脳に障害があるから
時どき焦点がぼやけて、アクションシーンもスリリング。
ラストまで観るものはハラハラドキドキ。
撮影編集のテンポが、やたら良いのは此の監督
あのリュック・ベッソンの撮影監督をやっていた!

イベリア半島音楽 #4
Joaquin cortes -Gipsy passion ,flamenco
スペイン音楽の代表は、やはりフラメンコ。
それに此の国の文化の全てが入っている。
ホアキン・コルテスは”ロマ”の生まれ
その卓越した美貌と身体能力でフラメンコ舞踊の頂点に立つ。
こうして彼の動きを見ると身体が楽器の様。









 

2022年10月19日水曜日

イベリア半島音楽#3
Ederlezi:Barcelona Gipsy Klezmer Orchestra
そんな訳でスペインには勿論”ロマ”も来ていて
此のBGKOことバルセロナ・ジプシー・クリズマー楽団の
レパートリーには此の歌”エデルレジ”も入っている。
此の歌が紹介されたのはゴラン・ブレゴヴィッチが音楽を担当した
エミール・クスゥトリッツァ監督の映画「ジプシーの時間」だが
元々イベリア半島というよりバルカン半島の
ロマ達に受け継がれて来た歌だ。
ヨーロッパは地続き、全てが繋がっているのだ。





 

2022年10月18日火曜日

ジェームズ・カーン(1940~2202)
「ゴッドファーザー」の再放映の最後に
”追悼ジェームズ・カーン”と出ていたので調べたら
彼は今年の2月に亡くなっていた。
確かにブレイクしたのはコッポラ監督の此の作品。
短気な長男役が印象に残った。
彼は大学でコッポラとクラスメイト。
しかもマフィアの息子と友達だったという
うってつけの役だった訳だ。
でもその役の印象でアカデミー助演賞にノミネートされるも
まともな役が来なかったとも。
でも翌年から「シンデレラリバティー」「熱い賭け」「ファニーレディー」
とスターの座を保ち
私にはクロード・ルルーシュがカンヌ・グランプリを取った
「男と女」を西部劇に焼き直した「続・男と女」が良かった。
フランスからアメリカ西部に渡ったカメラマンの未亡人と
留守中に女房を殺された獣医がお互いに子供を抱えて
結びつく切ないストーリーだったが。
ルルーシュ映画では「愛と哀しみのボレロ」でも2役をこなし
「ミザリー」ではキャシー・ベイツに囚われる人気小説家役が面白かった。
結局アカデミー賞もゴールデングローブ賞もノミネートだけ
TVドラマ「ラスベガス」シリーズで、その貫禄が光っていた。
82歳没、死因は分からないが、とりあえず合掌。







 

O bruxo da montaña:Milladoiro
スペインといえばフラメンコだが実は
イベリア半島は様々な国との戦争で
文化が入り混じり音楽も多様。
アラブやロマなどの影響も強い。
此の”ミジャドイロ”はスペインのガリシア地方に住む
ケルト人の末裔で構成されたバンド。
アイルランドやスコットランドの其れ等とは違う
ガリシアの風土から来る哀愁が感じられる。