「セルフ・レス・覚醒した記憶」(2015):ターセム・シン監督作品
彼は「ザ・セル」や「落下の王国」で
スタリッシュで前衛的な作品を撮っていた
ハリウッドのカリスマ監督で有るが
コンビを組んでいた日本が誇るアート・ディレクター石岡瑛子が
亡くなって3年、長いブランクの後の作品が此れで有る。
此れに彼らしい映像美は封印したように全く観られない。
しかしこのテーマには彼のインド人らしい死生観が感じられる。
彼のオリジナルのストーリィは余命幾許もない大富豪が
自分の記憶を若く新しい肉体に移植するもので有る。
先日の中国、ロシア、北朝鮮のボス達が揃った時の話題も長寿が
出たらしいが権力者達も最後に欲しいものは命で
彼らは臓器移植やバイオの力で120歳以上生きるつもりらしい。
此の映画の主人公(「ガンジー」のオスカー俳優ベン・キングスレー)が
友人から紹介された医師の実験に参加する。
肉体は滅びても他人の身体で記憶を蘇らせれば
生き返ったことに成るのではないか?と。
しかし、その赤の他人の若い肉体は米国特殊工作員の
ライアン・レイノルズ。名前がライアン・ゴズリングと似てるが
確かクリムト絵画の映画「黄金のアデーレ」の主役を演じた。
とにかく昔の記憶が残っている主人公には妻も娘も居て
”新車を買ったのに中古車だった”と愚痴るくらい。
そして、その実験がバレては都合の悪い医師の組織に命を狙われる羽目に。
マフィアみたいに殺し屋を次々と送り込んでくるが
此方は元米国特殊工作員だから、後半は
ターセム・シン作品とは思えない派手なアクション映画となる。
まあ、そん訳で彼の映像美を期待するとガッカリするが
彼にSFやアクション映画も撮れる才能が有る事はわかる。
0 件のコメント:
コメントを投稿