
「左ききの拳銃」( 1959):アーサー・ペン監督作品
此の映画、だいぶ前に観た記憶があるが例によって
モノクロだった事さえ覚えていない。
S・ペキンパーの「ビリーザキッド21才の生涯」とWって
久しぶりにまた観て感じたのはポール・ニューマンの演技が
アクターズスタジオの”メソッド演技法”で
ジェームス・ディーンのそれが重なる。
因みに当初ディーンだったのが自動車事故でポールに代わったらしい。
繊細で複雑な表情は、それまでに無い青春像を作ってる。
ニューシネマの代表作とされる彼の「俺たちに明日はない」の
C.W.モース役のマイケル・ J・ポラードも思い出した。
アーサー・ペンはジョン・フランケンハイマー等同じTVドラマ出身。
あの時代なら「ルート66」や「逃亡者」なんかを撮ってたのかな?
兎も角、斬新な演出は、至るところに観られるが
人が殺されたのを見た小さな子供が笑い
その母親が慌てて連れ去るというのがあった。
此のシーンは映画史に於いて「戦艦ポチョムキン」のオデッサの階段シーン並みだ。
アーサー・ペンのリアリズムは、当時は理解されなかったた様で
此の映画、人気沸騰のポール・ニューマンをしても
公開時ヒットしなかったらしい。
「小さな巨人」で白人でありがら子供の時に先住民に拐われ
育てられて、二つの社会を行ったり来たりする小男
(ダスティン・ホフマン)を描いた監督は
此の作品でもビリーザ・キッドを格好良いヒーローでは無く、
間の悪いヤツが社会のはぐれ者に成ったのを描いている。
ポール・ニューマンって意外に頭が大きくて
足が短いと感じたのは監督の狙いか?
書き残したが 彼の実兄アービング・ペン・・・と言っても
ピンと来ないだろうが 此の写真は見た事があるだろう。