2024年10月13日日曜日

「陰獣」(1977):加藤泰監督作品
BS東急松竹で江戸川乱歩特集をしていて
昔観たはずのを「陰獣」又観る。
加藤泰の著書によればチャンバラが好きで
映画界に入った人で東映で中村錦之助の
プログラムピクチュアーを撮っていたが
お子様向けの時代劇に飽きた俳優、中村錦之助と共に成長し
「真田風雲録」辺りからバケて、彼独自のスタイリッシュな
展開や映像を撮る様になった。
「幕末残酷物語」では大川橋蔵をメチャクチャにして
「明治侠客伝・三代目襲名」では鶴田浩二に”俺はただの人殺しだ!”と
まで言わせ三島由紀をして”当にギリシャ悲劇”と感動させた。
その後も本物のヤクザ上がり、安藤昇主演で
「男の顔は履歴書」「懲役18年」と”仁義なき戦い”に呼応するように
松竹で「みな殺しの霊歌」とアナーキーなテーマを追求し
私も含め加藤泰映画のファンなるものを作った。

此の映画「陰獣」は原作・江戸川乱歩だから
題名からして”危ない内容”と覚悟はしていたが
前半、森田芳光の「それから」は、これからパクったと
思えるほどの映像美、ため息が出るほど香山美子が美しく
それが最後に近づくにつれ、よく映倫を通ったなと
思うほど、エロスに満ち溢れ流石の加藤泰映画と満足した。

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