此れはフランス映画の名将アンリ・ベルヌイユ監督が
「ヘットライト」のジャン・ギャバンと組んだクライムサスペンス。
流石のアラン・ドロンも彼の前では小者に見える。
そうドロンは人間的に未完成な姿を演じるのに長けていた。
「冒険者たち」でもリノ・バンチュラ相手に弟分を演じている。
そして私が好きなのは此の映画のラストシーン
カジノから盗んだ大金をホテルのプールに沈めた迄は良かったが
ぷくぷくと、それらが浮かび上がり
プールサイドから見つめる二人の何とも無念な表情。
それに付けたミシェル・マーニュの音楽が素晴らしい。
全編切れ味の良いフレンチ・モダンジャズの構成。
此のサウンドトラックは名盤だが
此処の場面でダイナミックなシンフォニーに変わり
、その大金の価値を表現する様な
華麗な編成でクライマックを盛り上げた。
ミシェル・マーニュはフレンチ・ウエスタン映画「太陽は傷だらけ」の作曲家
ブリジット・バルドーの「戦士の休息」そしてベルモンドの「冬の猿」は名盤
郊外に城を持ち、それをエルトン・ジョンやボウイやピンクフロイド等の
レコーディング・スタジオに改造した変わり者だが
若くして自ら命を絶った。
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