「騙し絵の牙」(2021):吉田大八監督作品
原作は文芸誌「ダ・ヴィンチ」に連載された現在不況が続く出版界を
”半沢直樹”の様に1人の編集者をヒーローとして漫画の様に描いた小説である。
元々主人公を俳優・大泉洋のイメージで作り上げただけに
ピッタリ役がハマって彼以外には考えられない程。
兎に角、1996年からスタートした彼の「水曜どうでしょう」は
現在再放送なのに未だに高視聴率。
彼のキャラを表現するに、
風景に合わせ如何なる色にも変化するカメレオンに
その場の空気を読む事に長けたスピードはハイエナ並み
あの福山雅治の”ヨーちゃん、さあ”の物真似は彼の真骨頂。
三谷幸喜は此の映画を観て「鎌倉殿の13人」の源頼朝役を
彼と決めたのだろう。
老舗出版社のスピンオフ雑誌にスカウトされた大泉洋は
まるで昔の植木等の無責任男の様に♪スイスイ・スーダラ・ダッタと
廃刊寸前の、その雑誌を売り切れるほどにヒットさせるが
実は旧態依然の大手出版社の重役たちの解体にあった。
此れを”鎌倉殿”並みに佐藤浩市まで騙すから
ダーク・ヒーローで観るものは感情移入出来ないか?
と言うと、それが自然で許されちゃうのが大泉洋のキャラだ。
因みに題名の「騙し絵の牙」の牙は
出版社を立ち上げた創業者の名前
伊庭 喜之助のIBAの前にKを付けて”KIBA"
謎の小説家・ジョージ真島はファッション・モデルの城島 咲
なかなか遊びの多い原作である。
自ら物真似する福山雅治よりも
今や国民的スーパー・スターに躍り出た怪優・大泉洋!
新作「こんにちは、母さん」で山田洋次監督は
彼のキャラをどう生かすのだろう。
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